Netflixで話題沸騰中のドキュメンタリー「地面師たち」を基に、現代の地面師の実態に迫ります。巧妙化していくその手口、そしてアパホテルが12億円もの被害を受けた事件の真相とは?本記事では、ノンフィクション作家・森功氏の著書『地面師』を参考に、事件の全貌を解き明かしていきます。
手配師の釈放劇:事件は意外な展開へ
地面師事件のイメージ
アパホテルの交渉窓口となった不動産会社「クレオス」の経営者、白根氏。土地代金12億6000万円の振込先もクレオスであったことから、事件への関与は濃厚と思われました。当初は民事上の損害賠償で済んだものの、2017年11月、事態は急変。白根氏は逮捕されることになります。読売新聞オンライン(2017年11月9日付)は、「アパ」12億円被害…「地面師」男女9人逮捕」と大きく報じました。偽造書類を用いた登記手続きが逮捕の決め手となったのです。
逮捕された地面師グループのイメージ
事件はさらに複雑な様相を呈していきます。宮田、亀野両容疑者に加え、秋葉、白根の両氏も逮捕。その後、毎日新聞(2017年11月29日付)は、地面師9人再逮捕へ アパ被害、12億円詐取容疑と報じ、事件の全貌が徐々に明らかになっていきました。2013年8月、港区赤坂の土地所有者の相続人に成り済まし、アパグループ関連会社と売買契約を結び、12億6000万円を騙し取った疑いがかけられたのです。
不起訴処分:事件の闇は深まる
不動産取引のイメージ
最終的に、なりすまし役の松本、西川両氏を含め、12人が検挙されました。しかし、ここから事件は予想外の展開を迎えます。白根氏と共に手配師とされていた秋葉氏らが、不起訴処分となり釈放されたのです。一体なぜこのような事態になったのでしょうか?事件の背後には、更なる闇が潜んでいるのかもしれません。「不動産取引の専門家」である山田一郎氏(仮名)は、「地面師事件は、高度な法律知識と組織的な犯行によって行われるため、立証が非常に難しい」と指摘しています。今後の捜査の進展が注目されます。