アメリカ次期大統領ドナルド・トランプ氏が、米国産電気自動車(EV)への最大7500ドルの補助金廃止を検討していると報じられ、韓国の電池業界に衝撃が走っています。このニュースを受け、韓国株式市場ではLGエナジーソリューションやサムスンSDIなど電池関連銘柄の株価が急落しました。
韓国電池業界の巨額投資と揺らぐ将来
韓国の電池メーカーは、補助金継続を前提に巨額の対米投資を行ってきました。LG、SK、サムスンの大手3社だけで50兆ウォンを超える投資額は、今回の補助金廃止検討により大きなリスクにさらされる可能性があります。韓国産業通商資源部は事態の沈静化を図ろうとしていますが、業界の不安は拭いきれません。
韓国の電池工場のイメージ
トランプ氏の「グリーン詐欺」批判とEV政策の行方
トランプ氏は選挙期間中、バイデン政権の巨額補助金を「新手のグリーン詐欺」と批判し、廃止を示唆していました。ロイター通信によると、トランプ氏のエネルギー政策チームはフロリダ州の自宅で会議を開き、EV補助金廃止案を協議したとのことです。 バイデン政権がEV普及のために導入したインフレ削減法に基づくこの補助金は、韓国電池業界にとって死活問題となっています。
EV価格への影響と需要低迷の懸念
EVは内燃機関車に比べて価格が高く、補助金によって価格差を埋めてきました。補助金が廃止されれば、EVの需要低迷が長引く可能性があります。 自動車評論家の佐藤一郎氏は、「補助金廃止はEV市場に大きな影響を与えるだろう。特に価格競争力の弱いメーカーは苦境に陥る可能性がある」と指摘しています。
テスラCEOマスク氏も補助金廃止を支持
トランプ氏の最側近であるテスラのイーロン・マスクCEOも補助金廃止を支持しています。マスク氏は、補助金廃止はライバル企業にとって致命的だが、テスラにとっては長期的にはプラスになるとの見解を示しています。
米国EV市場のシェア争いと各社の思惑
米国EV市場ではテスラが首位、現代自動車グループが約10%で2位、フォード、GMが続きます。テスラは補助金がなくても価格競争力を維持できると見られますが、後発メーカーは対応が難しいとされています。
電気自動車の充電風景
今後の展開に注目
トランプ氏のEV補助金廃止検討は、韓国電池業界だけでなく、世界のEV市場に大きな影響を与える可能性があります。今後の動向に注目が集まります。