自民党の政策活動費廃止…でも“裏金”は残る?専門家が危惧する「抜け道」

政治資金規正法改正の議論が進む中、自民党が「政策活動費」の廃止方針を打ち出しました。一見クリーンな改革に見えますが、本当にそれで政治資金の透明化は実現するのでしょうか?国民の関心事であるこの問題について、専門家の意見を交えながら深く掘り下げていきます。

問題の根源「政策活動費」とは?

そもそも政策活動費とは、政党が所属議員個人に支出する資金のこと。党勢拡大や政策立案などに使用される名目ですが、使途公開の義務がないため、“ブラックボックス”と批判されてきました。特に、二階俊博元幹事長が5年間で50億円もの政策活動費を受け取っていたことが大きな問題となり、今回の改正議論のきっかけとなりました。

alt="小泉進次郎氏(左)の「政策活動費」廃止方針を批判する神戸学院大学の上脇博之教授"alt="小泉進次郎氏(左)の「政策活動費」廃止方針を批判する神戸学院大学の上脇博之教授"

廃止の裏に新たな「抜け道」?専門家の懸念

自民党は政策活動費を廃止する一方で、外交上の秘密に関わる支出は非公開とする方針も示しています。この点について、政治資金問題に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は、「事実上の裏金を残すものだ」と強く批判しています。上脇教授は、非公開支出の使途を第三者機関がチェックするとしても、名目の適正さや金額の基準しか判断できない可能性が高いと指摘。つまり、「第三者機関のお墨付き」を隠れ蓑に、依然として不透明な支出が続けられる恐れがあるというのです。

真の透明化のために必要なこと

上脇教授は、真の政治資金改革のためには、政党から議員個人への支出を一切禁止すべきだと主張しています。選挙区支部や資金管理団体で資金を受け取れば、政治資金収支報告書への記載が義務付けられます。つまり、この方法であれば、すべての支出が公開され、透明性が確保されるというわけです。

政治資金の透明化は国民の願い

政治資金の透明化は、国民の政治への信頼を回復するために不可欠です。今回の自民党の改革案は、本当に国民の声に応えるものなのでしょうか? 「抜け道」を残したままでは、真の改革とは言えません。私たち国民は、引き続きこの問題に注目し、政治の透明性を求めていく必要があります。

自民党の改革案、その真意は?

自民党が政策活動費を廃止する一方で、非公開支出を残すという方針は、国民の批判をかわすためのパフォーマンスに過ぎないのでしょうか? 上脇教授は、自民党はこれまで「収支報告をしなくていいカネ」を使って選挙を戦ってきたため、今後もその「抜け道」を残したい思惑があると見ています。

今後の展開に注目

国民の関心は、今後の政治資金規正法改正の行方に注がれています。真に透明性のある政治を実現するために、私たちは引き続きこの問題を注視していく必要があります。 自民党は、国民の期待に応えることができるのでしょうか?