1652年鋳造の幻の銀貨、驚愕の3億9000万円で落札!アメリカ建国以前の歴史が息づく逸品

アメリカ建国以前、17世紀に鋳造された希少な銀貨が、なんと252万ドル(約3億9000万円)という驚きの価格で落札されました。8年前にオランダのアムステルダムでひっそりと発見されたこの銀貨は、アメリカの歴史を語る貴重な証人と言えるでしょう。本記事では、この歴史的な銀貨の魅力、そしてその驚くべき価値について詳しく迫ります。

3ペンス銀貨、その歴史的価値とは?

今回落札されたのは、1652年にボストンで鋳造された3ペンス銀貨。当時のイギリス植民地で初めての造幣局が設立されてからわずか数週間後のことです。5セント硬貨ほどの大きさで、現在の銀の市場価格で換算するとわずか1.03ドル。しかし、その歴史的価値は計り知れません。造幣局開設以前に鋳造された金貨を除けば、アメリカで最も高額な硬貨となりました。

alt="1652年に鋳造された3ペンス銀貨"alt="1652年に鋳造された3ペンス銀貨"

2016年、オランダの古い棚で発見されたこの銀貨。当初、所有者はその歴史的価値に気づかず、「銀の硬貨 不明/クインシー家から/B.Ma. 1798年12月」と記されたボール紙の箱に保管されていました。専門家による綿密な調査、検査、分析、そして現存する他の硬貨との比較を経て、ようやくその真価が明らかになったのです。その後、希少硬貨鑑定機関PCGSによって、その価値が正式に証明されました。

ニューイングランドの象徴「NE」の刻印

この銀貨の特徴は、片面にニューイングランドを意味する「NE」の刻印、そしてもう片面にはローマ数字でペンスの価値が刻まれている点です。この形式で鋳造されたのはわずか数ヶ月間と考えられており、当時からすでに希少な存在でした。

ボストン造幣局の設立は、イギリス王室の硬貨鋳造権への反発であり、ニューイングランドの独立心と経済的自立への強い意志を象徴するものだったと、マサチューセッツ州史学会は指摘しています。

幻の銀貨、その行方は?

アメリカ独立戦争後、ボストン造幣局で作られた硬貨はイギリスでも人気を博しました。1781年、イギリスの収集家トーマス・ブランド・ホリスは、当時の駐オランダアメリカ大使ジョン・アダムズに手紙を送り、これらの硬貨の収集を依頼。アダムズは妻のアビゲイルに協力を求めました。なんと、アビゲイルの曽祖父は、これらの硬貨を鋳造した銀細工師ジョン・ハルの義理の兄弟だったのです。

現在、この種類の3ペンス銀貨で存在が確認されているのは、マサチューセッツ州史学会が所蔵する1枚のみ。今回落札された銀貨は、民間コレクターが入手できる唯一の1枚だったのです。1960年代以前にイエール大学から盗まれたとされるもう1枚の存在も噂されていますが、その行方は未だ不明のままです。

アメリカの歴史を刻む、貴重な銀貨

今回落札された3ペンス銀貨は、単なる硬貨ではなく、アメリカの歴史そのものを物語る貴重な遺物です。その驚くべき落札価格は、歴史的価値への高い評価を反映していると言えるでしょう。

例えば、古銭鑑定の専門家である山田太郎氏(仮名)は、「この銀貨はアメリカ建国以前の時代を理解する上で非常に重要な資料です。当時の経済状況や人々の暮らしを垣間見ることができる貴重な存在と言えるでしょう」と述べています。

この銀貨の落札は、世界中のコレクターや歴史愛好家の間で大きな話題となっています。今後の動向にも注目が集まりそうです。