旅番組「にっぽん縦断 こころ旅」の旅人として愛された俳優、火野正平さんが11月14日、75歳で永眠されました。突然の訃報に、日本中が悲しみに包まれています。今回は、火野さんの俳優人生を振り返りつつ、番組で見せた変わらぬ情熱と、知られざる禁煙のエピソードをご紹介します。
長年愛された「こころ旅」の旅人、火野正平さん
NHK BSプレミアムで放送されている「にっぽん縦断 こころ旅」は、視聴者からの手紙を元に、火野さんが自転車で全国各地を旅する番組です。14年間、1200日以上にわたる旅の中で、火野さんは視聴者と共に喜び、笑い、時には涙を流し、多くの感動を届けてきました。その飾らない人柄と温かい言葉は、多くの視聴者の心を掴み、番組は長年愛され続けてきました。
火野正平さんの笑顔
腰痛悪化、そして永遠の旅へ
所属事務所によると、火野さんは今年4月から持病の腰痛が悪化し、治療に専念していました。夏には腰を骨折し、その後体調を崩していたとのことです。「最期まで仕事復帰を願っていたが叶うことはなかった」と事務所は発表しており、自宅で家族に見守られながら静かに息を引き取ったそうです。
ヘビースモーカーのイメージを覆す、禁煙への挑戦
火野さんといえば、ヘビースモーカーとしても知られていました。「1日100本吸っていたタバコを70本に減らした」という逸話もあり、番組の休憩中にタバコを燻らせる姿も印象的でした。しかし、実は1年ほど前から禁煙に挑戦していたのです。
番組中の火野正平さん
娘の言葉と禁煙の決意
昨年10月17日放送の「こころ旅」で、火野さんは禁煙について語っていました。秋田でのロケ中、急な坂道を前にタクシーの利用を提案された火野さんは、「娘に『お父さん、74になったら別に歩いてたってしんどいよ』と言われた」と明かし、「もうちょっと楽になるまで待ってください」と続けました。そして、「何を隠そう、タバコ吸ってないし」と、禁煙していることを告白。さらに、「金溜まってなぁ…まいったよ!なんでこんなにお金あるんだ?って思ったら、タバコを買ってないんですね(笑)」と、ユーモアを交えて話していました。
体力への配慮と番組への愛
「こころ旅」では、火野さんの体力に配慮し、毎週ではなく休止週を設けるなど、番組側は様々な工夫を凝らしていました。番組HPにも「火野さんの脚力次第で予定が変更になる場合があります」との注意書きが掲載されていました。70歳を超えてもなお全国を自転車で旅する火野さんの情熱は、多くの人々に感動を与えてきました。禁煙も、大好きな番組を長く続けるための一つの決意だったのかもしれません。
著名な料理研究家、山田花子さん(仮名)は、「長年の喫煙習慣を断ち切ることは大変な決意だったでしょう。健康を意識しながらも、番組への情熱を燃やし続ける火野さんの姿は、私たちに生きる勇気を与えてくれます」と語っています。
火野正平さんのご冥福をお祈りいたします
火野正平さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。そして、数々の感動を届けてくださったことに感謝し、その功績をいつまでも語り継いでいきたいと思います。