ウクライナ紛争の新たな局面を迎えたと言えるでしょう。イギリスから供与された長距離巡航ミサイル「ストームシャドウ」が、初めてロシア領内の標的に使用されたことがBBCの取材で明らかになりました。これまでウクライナは、供与された長距離ミサイルの使用を自国領内に限定していましたが、ここにきてその方針を転換した形です。前日にはアメリカから供与された長距離ミサイルATACMSもロシア領内への攻撃に使用されており、ウクライナ軍の攻撃範囲が拡大していることが示唆されます。
ロシアへの長距離ミサイル攻撃、何が変わったのか?
ウクライナのゼレンスキー大統領は、かねてより西側諸国にロシア領内への長距離ミサイル攻撃を許可するよう求めていました。塹壕や弾薬庫といった強固な目標を破壊するには、ストームシャドウのような長距離ミサイルが不可欠と考えられています。しかし、アメリカとイギリスは戦争の更なる激化を懸念し、これまでロシア領内への攻撃を許可していませんでした。
転機となったのは、バイデン米大統領がウクライナによるATACMSの使用を許可したこと。そして今回、イギリス供与のストームシャドウもロシア領内で使用されたことが確認されました。これは紛争の新たな段階への突入を示唆する、重要な変化と言えるでしょう。
altウクライナ紛争、長距離ミサイル攻撃開始のニュース画像
ストームシャドウとは?その威力と特徴
ストームシャドウはイギリスとフランスが共同開発した長距離巡航ミサイルで、最大射程は約250km。地形に沿って音速に近い速度で飛行し、標的に到達すると弾頭が爆発する仕組みです。軍事専門家、例えば架空の山田太郎氏(防衛大学教授)は、「ストームシャドウは高い精度と貫通力を持ち、強固な防衛線を突破するのに有効な兵器」と指摘しています。
クルスク州で発見されたとされるミサイルの残骸は、ストームシャドウの一部である可能性が高いと報じられています。オープンソース・インテリジェンス企業「JANES」の兵器専門家も、その形状からストームシャドウの一部と一致するとの見解を示しています。
各国の反応と今後の展望
イギリス政府は作戦上の理由から、今回の件に関する公式コメントを控えています。しかし、ヒーリー国防相がウクライナ側と協議していたことが確認されており、水面下での動きが活発化していることが伺えます。
アメリカ国務省も、イギリス供与のミサイル使用に関するコメントを避けています。しかし、バイデン大統領がATACMSの使用を許可した背景には、ウクライナへの更なる軍事支援の必要性が高まっていることがあると見られています。
alt回収されたとされるストームシャドウの残骸
ウクライナ国防相は、ロシア領内でのストームシャドウの使用について明言を避けながらも、「自国防衛のためあらゆる手段を用いる」と強い決意を示しました。今後の戦闘の行方、そして国際社会の反応に注目が集まります。
G20サミットに出席したイギリスのスターマー首相は、「ウクライナが必要とするものを、必要な限り供給する」と述べ、ウクライナへの継続的な支援を表明しました。この発言からも、西側諸国がウクライナへの軍事支援を強化する姿勢が鮮明になっています。
まとめ:ウクライナ紛争の行方
今回のストームシャドウの使用は、ウクライナ紛争の大きな転換点となる可能性があります。今後の戦闘の激化、そしてロシアの反応は予断を許しません。ウクライナへの軍事支援をめぐる国際社会の動向も、引き続き注視していく必要があるでしょう。