賭け麻雀は本当に違法?日本の法律の意外な落とし穴

日本の法律には、私たちの常識とは少しズレている部分が存在します。その代表例と言えるのが「賭け麻雀」でしょう。今回は、賭け麻雀を取り巻く法律の現状と、その背後にある法哲学的な視点について探っていきます。

なぜ少額の賭け麻雀でも違法なのか?

alt麻雀牌とチップalt麻雀牌とチップ

友人同士で、少額のお金を賭けて麻雀を楽しむ…そんな光景は、それほど珍しくないかもしれません。しかし、日本の法律では、たとえ1円でもお金を賭けた麻雀は「賭博罪」に該当し、違法とされています。これは刑法185条に基づくものですが、この条文には「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる時は、この限りでない」という例外規定も存在します。

一見すると、少額の賭け麻雀はこの例外に該当しそうですが、大正時代の大審院(現在の最高裁判所)の判決が、この解釈を複雑にしています。この判決では「金銭はその性質上、一時的な娯楽に供する物とはいえない」とされ、結果として、金額の大小に関わらず、金銭を賭けた麻雀は全て違法とみなされることになったのです。

例えば、お菓子を賭けて麻雀をすることは合法ですが、同じお菓子でもそれを購入するためのお金を賭けると違法になるというのは、少し理解しづらいかもしれません。法哲学者の山田一郎氏(仮名)は、この点について「法律の厳格さと、社会通情との間にギャップが生じている典型的な例」と指摘しています。

摘発されるかどうかは運次第?

alt警察手帳alt警察手帳

賭け麻雀が違法であるとはいえ、実際には多くの人々が日常的に楽しんでいるのも事実です。では、摘発される人とされない人の違いはどこにあるのでしょうか?

実は、賭け麻雀をした人全員が逮捕されるわけではありません。警察や検察には、事件の軽重や状況に応じて起訴するかどうかの裁量権があり、賭け麻雀の場合も、この裁量権が適用されます。

一般的には、賭け金の額が大きかったり、常習性があったりする場合は摘発される可能性が高くなります。しかし、明確な基準があるわけではなく、最終的には警察や検察の判断に委ねられるため、「摘発されるかどうかは運次第」という側面も否定できません。

法律と現実のギャップを考える

賭け麻雀の例に見られるように、法律と社会通念の間には、時に大きなギャップが存在します。このようなギャップは、法律の解釈や運用を複雑にするだけでなく、国民の法意識の低下にもつながる可能性があります。

今後、より良い社会を実現していくためには、法律の制定や改正において、社会通念との整合性をより重視していく必要があると言えるでしょう。そして、私たち一人ひとりも、法律の背後にある理念や目的を理解し、より建設的な議論に参加していくことが求められています。