石破茂首相、再登板を果たしたものの、難局に立たされている。側近不足に加え、重要な委員会の委員長ポストを野党に譲り渡すという異例の事態が発生。今後の政権運営、そして来年の参院選への影響は?Jp24h.comが詳しく解説します。
予算委員長ポスト、野党へ
今回の衆院選後、自民党は予算委員会をはじめとする複数の重要な委員長ポストを野党に譲ることとなった。当初は与党優勢の構図を維持する予定だったが、野党側の反発を受け、選挙による決定となれば全ポストを失う可能性があったため、自民党は苦渋の決断を迫られた。この結果、17の常任委員長ポストのうち、野党が7つを獲得するという異例の事態となった。
alt
特に注目を集めているのが、予算委員会委員長ポストの野党への譲渡だ。予算委員会は、国の予算編成を審査する重要な機関であり、その委員長ポストは政権運営に大きな影響力を持つ。日本維新の会の遠藤敬国会対策委員長によると、野党側は議長、議院運営委員長、予算委員長のいずれかのポストを求めており、自民党は最終的に予算委員長を譲歩することに決めたという。
森山幹事長の思惑とは?
この異例の決定に、自民党内では森山裕幹事長の手腕を疑問視する声も上がっている。しかし、元参院議員の平野貞夫氏は、この決定は森山幹事長の戦略的な判断であると分析する。早期に野党に譲歩することで、心理的な貸しを作り、今後の政権運営を円滑に進める狙いがあると見ている。
予算委員長には立憲民主党の安住淳氏が就任することが決定した。森山幹事長と安住氏は、過去に国対委員長を同時期に務めた経験があり、良好な関係を築いている。この関係性も、今回の決定に影響を与えた可能性がある。
石破首相の退陣シナリオ?
平野氏によれば、森山幹事長はすでに石破首相の退陣シナリオを描いており、そのシナリオの中で安住氏が重要な役割を担う可能性があるという。石破政権の寿命は長くはないと見られており、森山幹事長は、安住氏との協力関係を通じて、石破首相の円滑な退陣を実現させようとしているのではないか、と平野氏は推測する。
今後の政権運営は、野党との協力が不可欠となる。予算委員長ポストを野党に譲ったことで、自民党は野党との協調路線を明確にした。しかし、この決断が吉と出るか凶と出るか、今後の政権運営、そして来年の参院選の結果が、その答えを示すことになるだろう。