紅白歌合戦2024:中高年層ターゲットで視聴率巻き返しなるか?ベテラン勢の起用に見るNHKの戦略

今年の紅白歌合戦出場歌手発表で、THE ALFEE(41年ぶり)、GLAY(25年ぶり)、イルカ(32年ぶり)、南こうせつ(27年ぶり)といったベテラン勢の選出に注目が集まっています。果たして、低迷する視聴率を回復させる切り札となるのでしょうか?NHKの戦略を読み解きます。

視聴率低迷からの脱却を目指すNHK

近年、紅白歌合戦の視聴率は下降線を辿っています。昨年の第1部は29.0%、第2部は31.9%と、過去最低を記録。若者を中心にテレビ離れが進む中、NHKは受信料徴収の観点からも、若者を取り込む番組作りに注力してきました。

altalt紅白歌合戦公式サイトより

しかし、若者向けに偏った番組作りは、中高年層の視聴者離れを招いた側面も否めません。「知らない歌手ばかり」「知らない曲ばかり」といった声が上がる中、NHKは中高年層の取り込みに舵を切ったようです。

ベテラン勢起用の狙い:団塊世代から団塊ジュニア世代へ

今回のベテラン勢の起用は、まさに中高年層へのアピールと言えるでしょう。THE ALFEE、GLAYはそれぞれデビュー50周年、30周年という節目を迎えていますが、イルカ、南こうせつは特にそういった記念イヤーではありません。

altalt紅白出場歌手発表の様子

音楽評論家の山田一郎氏(仮名)は、「イルカの『なごり雪』、南こうせつの『神田川』などは、近年の昭和歌謡ブームも相まって、若い世代にも広く知られています。THE ALFEEやGLAYも数多くのヒット曲を持つため、団塊世代から団塊ジュニア世代までの幅広い層に訴求できるでしょう」と分析しています。

テレビ視聴習慣のある世代へのアプローチ

NHKの狙いは、テレビ視聴習慣のある中高年層を取り戻すことにあると考えられます。制作会社関係者は、「NHKは若者だけでなく、中高年層の視聴者も重要視しています。彼らが紅白を見ることで、家族みんなで楽しめる番組というイメージを強化し、視聴率の底上げを図りたいのでしょう」と語っています。

中高年層の視聴率回復に期待

今回のベテラン勢の選出は、視聴率回復への起爆剤となるでしょうか?懐かしの名曲とともに、紅白歌合戦が再び国民的番組として輝きを取り戻すことができるか、注目が集まります。