老後資金を狙う悪の手口:巧妙化する詐欺から身を守る方法

高齢化が進む日本で、長年コツコツと積み上げてきた大切な老後資金を狙う犯罪が増加しています。この記事では、巧妙化する手口の実態を明らかにし、安全に老後を送るための対策をご紹介します。

増え続ける老後資金を狙った犯罪

近年、住宅街で不審な行動をする人物が目撃されるケースが増えています。作業服を着てスマートフォンで住宅の写真を撮ったり、スーツ姿の二人組がうろついたり…こうした光景は、高齢者を狙った犯罪の予兆かもしれません。消費者庁の統計によると、「点検商法」などの相談件数は5年間で3倍に増加。私たちの身近で、静かに危険が迫っているのです。

alt 住宅街を不審な様子でうろつく男。高齢者を狙った犯罪の増加が懸念される。alt 住宅街を不審な様子でうろつく男。高齢者を狙った犯罪の増加が懸念される。

点検商法をはじめとする巧妙な手口

「点検商法」とは、「お宅の瓦が崩れかけて危険です」などと親切を装って近づき、高額な修理代を請求する悪質な詐欺です。消費者問題に詳しい嵩原安三郎弁護士は、「高齢者、特に一人暮らしの高齢者を狙った悪徳商法は深刻な社会問題です。リフォーム詐欺だけでなく、貴金属の押し買い、警察官を装ったキャッシュカード詐欺など、手口は多様化しています。従来の振り込め詐欺が難しくなったため、訪問型の詐欺が増えているようです。さらに、資産状況を事前に調べて自宅に押し入るアポ電強盗も増加傾向にあります」と警鐘を鳴らします。

身近な人物による犯罪にも注意

恐ろしいのは、犯罪組織だけでなく、身近な人物による犯罪も増えていることです。介護施設職員による入居者の預金着服や、弁護士による遺言書の偽造など、モラルの欠如した行為が横行しています。

老後資金を狙う犯罪の背景

ジャーナリストの根本直樹氏は、「退職金を受け取り、子育てや住宅ローンも落ち着いた60代以上は、日本で最も金融資産を持っている層です。アポ電強盗の被害者が同じ証券会社の口座を持っていた事件や、リフォーム会社や新聞配達員が高齢者の資産情報を収集し、犯罪組織に売却しているという噂もあります。遺言相談を装って高齢者から金銭を騙し取る手口も存在します。“持たざる者”の desperation が、このような犯罪を生み出していると感じます」と指摘します。

alt 大量のタバコの吸い殻。犯人が下見のために長時間、現場に滞在していた可能性を示唆している。alt 大量のタバコの吸い殻。犯人が下見のために長時間、現場に滞在していた可能性を示唆している。

専門家のアドバイス:対策と予防策

犯罪から身を守るためには、日頃からの警戒が必要です。不審な電話や訪問には対応せず、家族や警察に相談しましょう。また、金融機関や自治体が開催する防犯セミナーに参加するのも有効です。

まとめ:安心して老後を送るために

人生の終盤に、大切な資産を狙われる恐怖は誰にとっても避けたいものです。この記事で紹介した手口を理解し、適切な対策を講じることで、安心して老後を過ごすことができます。ぜひ、ご家族やご友人とも共有し、安全な暮らしを実現しましょう。