ウクライナ国防省、ロシア国内の北朝鮮軍通信傍受を公開!戦況に新たな影を落とす緊迫の無線交信

ウクライナ紛争の長期化に伴い、ロシアへの支援を強める北朝鮮の存在感が日に日に増しています。今回、ウクライナ国防省情報総局(DIU)が公開した無線傍受情報は、その実態を改めて浮き彫りにし、今後の戦況に大きな影響を与える可能性を秘めています。

ロシア・クルスクで傍受された緊迫の無線交信

ウクライナ国防省情報総局(DIU)は、ロシア・クルスク地域で傍受した北朝鮮軍の無線通信内容を公開しました。X(旧Twitter)に投稿された音声ファイルには、北朝鮮の言葉で「早く出てこい」と仲間を急かす緊迫した声が記録されています。暗号名らしき言葉も聞こえ、船への乗船を促すやり取りから、何らかの軍事行動が計画されていた可能性が示唆されます。

altaltウクライナ国防省情報総局が公開した北朝鮮軍の通信傍受画像。緊迫した状況が見て取れる。

DIUは、この通信がクルスクに駐留する北朝鮮兵士間のやり取りであると説明していますが、具体的な傍受時期は明らかにしていません。クルスクには1万1000人もの北朝鮮兵士が駐留しているとされ、ウクライナ支援を目的とした軍事訓練が行われているとの情報もあります。

クルスクの北朝鮮軍、ウクライナ軍と交戦か?

ウクライナ現地メディアは、クルスクに駐留する北朝鮮兵士の一部が既にウクライナ軍と交戦したと報じています。また、米軍事専門メディア「グローバル・ディフェンス・コーポレーション」は、ウクライナ軍の巡航ミサイル攻撃により、クルスクに駐留する北朝鮮兵士500人が死亡したと報じました。しかし、これらの情報の信憑性については、米国防総省も確認できていないとしており、更なる検証が必要です。

軍事アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「北朝鮮軍のロシアへの軍事支援は、ウクライナ紛争の新たな局面と言えるでしょう。北朝鮮の最新兵器や兵力の投入は、戦況を大きく左右する可能性があります。」と指摘しています。

ロシア軍の攻勢加速、ウクライナ領土占領が進む

一方、ロシア軍の攻勢も激化しています。ロシア独立系メディア「Agentstvo」によると、ロシア軍は過去1週間で約235平方キロメートルものウクライナ領土を占領し、これは今年に入って週単位での最高記録とのことです。

altaltロシア軍の進撃状況を示す地図。占領地域が拡大していることがわかる。

今月に入って占領されたウクライナ領土は、実に600平方キロメートルに達し、ソウル市の面積に匹敵します。ロシア軍は領土拡大に加え、ウクライナの主要インフラへの空爆も強化しており、更なる被害の拡大が懸念されます。

北朝鮮の軍事介入が現実のものとなる中、ウクライナ紛争は更なる混迷の様相を呈しています。今後の動向に、国際社会の注目が集まっています。