斎藤元彦知事代理人の異様な会見…公選法違反疑惑は「桜を見る会前夜祭」と酷似、期待されるPR会社社長の“逆襲”


 およそ2時間に及ぶ会見が終わった後、会場に集まった報道陣からはため息交じりの皮肉が漏れていたという。兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦知事(47)に浮上した公職選挙法違反疑惑で、斎藤氏の代理人である奥見司弁護士が27日に会見を開いた。

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「今一番答えられる」。会見の冒頭、自信たっぷりにこう切り出した奥見氏だったが、公選法違反には当たらないとの認識を繰り返すばかりで、真相解明には程遠いものだった。

 とりわけ会見場をざわつかせたのは、同県内の広告会社「merchu(メルチュ)」の折田楓代表(33)が斎藤氏の選挙戦におけるSNS戦略を提案し、「広報全般を任された」などとつづったネットの投稿プラットフォーム「note(ノート)」に関するやり取りだ。

 メルチュの提案とされる「#さいとう元彦がんばれ」とのキャッチコピーについて、奥見氏は「10月入ってからスタッフで相談して決めた」と説明。しかし、記者が「9月にメルチュで撮られた写真に(ワードが)写っていますよね?」と問うと、奥見氏は「手元の資料にはない」と即答。さらに記者が「いやいや写っていますよ。もしかして改竄後のnoteを見ています?」と畳みかけると、奥見氏は目を見開きながら表情を曇らせ、プリントアウトした手元資料をめくりながら「私の持っているのと違う」と発言。

 報道陣から「オリジナル(の投稿)が問題」「会見をやり直してほしい」「そこが一番大事なんですよ」といった声が飛び交う異例の展開となった。

■政治の政界では「狡兎良狗」は日常茶飯事だが……

「法的には何ら問題はない」「ポスターやチラシの制作費で71.5万円をメルチュに支払ったが、契約書などの書面は存在しない」「口頭契約」。疑惑が発覚して以来、斎藤氏側はこう言い続けているわけだが、その主張を裏付ける物的証拠や証言はいまだに何一つ示されておらず、これでは「はい分かりました」とはならないだろう。

 こうした斎藤氏の姿勢は故・安倍晋三元首相時代に起きた「桜を見る会前夜祭」の事件を彷彿とさせる。安倍氏の後援会が都内ホテルで開いた「桜を見る会前夜祭」を巡っても、公選法違反や政治資金規正法違反の疑惑が浮上。国会で野党が安倍氏を追及したのだが、安倍氏は「法的な問題はない」「関与していない」と言い続け、さらにホテルからの請求書や領収書など一切の明細もないーーとして資料開示を拒んでいた。

 結局、安倍氏の公設秘書が政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に略式起訴されたほか、安倍氏自身も衆院調査局の調査で118回に上る「虚偽答弁」があったと“認定”されたわけだが、やはり事実解明には捜査機関が動くしかないのではないか。

 しかも今回の問題では強力かつ有力な証人がいる。メルチュの折田代表だ。

 公選法をよく知らなかったとはいえ、投稿内容が事実であれば斎藤氏の選挙戦を懸命に支えた自負があるだろう。にもかかわらず、斎藤陣営からはブログ投稿を「盛っている」=虚偽と断罪され、斎藤氏からも「よく知らない人」と突き放されたのだ。

 政治の政界では「狡兎良狗」は日常茶飯事だが、このまま黙っていては全責任を折田氏が担うことになる。今こそ“逆襲”に立ち上がる時だ。

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