職場では、理不尽な怒りに遭遇することも少なくありません。大声で怒鳴られたり、詰問されたりすると、萎縮してしまい、適切な対応が難しくなります。この記事では、心理カウンセラーの片田智也氏の著書『弱メンタルでも職場でうまいことやる方法を教えてください!』(明日香出版社)を参考に、職場での怒りへの効果的な対処法をご紹介します。
怒りの正体:恐怖のおもらし
怒りの本質は「恐怖」です。片田氏は、怒りを「恐怖のおもらし」と表現しています。人は、物事が自分の思い通りにならない時、つまりコントロールできないという恐怖を感じた時に怒りの感情を表出します。
先日、役所の窓口で職員の方に大声で怒鳴り散らす男性を見かけました。職員の方は丁寧にルールを説明していましたが、男性は納得いかない様子でした。 恐らく、申請が却下されるかもしれないという恐怖から、怒りをぶつけていたのでしょう。
alt 役所窓口で怒鳴っている男性のイメージ
怒りの対処法:共感と理解
では、怒りにどう対処すれば良いのでしょうか? 重要なのは、怒りの裏にある恐怖を見抜き、共感することです。相手が怒っている時は、「そんなに漏らして…怖かったんだな」と心の中で思い、慈悲の心で接してみてください。
相手をコントロールしようとするのではなく、相手の恐怖を理解しようと努めることで、状況は大きく変わります。例えば、「お気持ちは分かります。〇〇という点がご不安なのですね」と、相手の言葉に耳を傾け、共感の姿勢を示すことが大切です。
言葉の圧力への対処法
怒鳴っていなくても、早口でまくしたてたり、「そうでしょ?」と詰め寄ってくるなど、言葉の圧が強い人もいます。このような場合も、やはり相手の恐怖を理解しようと努めることが重要です。
「なぜそんなに急いでいるのだろうか?」「なぜ自分の意見に同意を求めるのだろうか?」と考えてみると、相手が抱えている不安や焦りが見えてくるかもしれません。
萎縮しないための心構え
大きな声で怒鳴られると、恐怖を感じるのは当然の反応です。「もっと強く反論しなければ」と意気込む必要はありません。 恐怖を感じている自分を認め、まずは深呼吸をして落ち着きましょう。
そして、相手がなぜ怒っているのか、その背景にある恐怖は何なのかを考えてみましょう。 相手の恐怖を理解することで、冷静に対応できるようになります。
alt 深呼吸をして落ち着く人のイメージ
まとめ:怒りは恐怖のサイン
怒りの裏には必ず恐怖が隠されています。 怒りに遭遇した時は、相手の恐怖を理解しようと努め、共感の姿勢を示すことが大切です。そうすることで、相手との関係性を良好に保ち、より建設的なコミュニケーションを築くことができるでしょう。
職場での人間関係にお悩みの方は、ぜひこの記事を参考に、怒りへの対処法を見直してみてはいかがでしょうか。