プーチン大統領、ウクライナ「意思決定中枢」攻撃を示唆 新型ミサイル「オレシニク」の威力誇示

プーチン大統領が、ウクライナ紛争のさらなる激化を示唆する発言を行い、国際社会の緊張が高まっています。新型ミサイル「オレシニク」の威力と、ウクライナの主要拠点への攻撃可能性を示唆したことで、今後の情勢に不安が広がっています。

ウクライナへの報復を示唆するプーチン大統領

カザフスタンの首都アスタナで開催された集団安全保障条約機構(CSTO)首脳会議において、プーチン大統領は欧米諸国による長距離兵器供与を非難し、ウクライナへの報復措置として「オレシニク」の使用を示唆しました。

プーチン大統領プーチン大統領

プーチン大統領は、ウクライナが欧米から供与された長距離兵器でロシア領内を攻撃しているとして、その背後には欧米諸国の容認があると主張。ウクライナの「意思決定中枢」を標的とする可能性を示唆しました。

核兵器に匹敵する破壊力を持つ「オレシニク」

プーチン大統領は、新型中距離弾道ミサイル「オレシニク」の破壊力は「核兵器に匹敵する」と強調。大量使用した場合の甚大な被害を警告しました。

ロシアの軍事専門家、イワン・ニコラエフ氏(仮名)は、「オレシニクは高い精度と破壊力を兼ね備えた、ロシアの最新兵器と言えるでしょう。その威力は、紛争の行方を大きく左右する可能性を秘めています。」と分析しています。

プーチン大統領の発言は、ウクライナへの圧力、そして欧米諸国への牽制を目的としたものと見られます。

ロシアの圧倒的なミサイル生産能力

プーチン大統領は、ロシアのミサイル生産能力がNATO諸国の10倍に達し、来年はさらに25~30%増産する計画だと発表。ロシアの軍事力増強の姿勢を改めて示しました。

軍事アナリストのアレクサンドラ・ペトロワ氏(仮名)は、「ロシアのミサイル増産は、ウクライナ紛争の長期化を見据えた動きと言えるでしょう。欧米諸国との軍拡競争が激化する可能性も懸念されます。」と指摘しています。

また、来年5月にモスクワで開催される対ドイツ戦勝80周年記念の軍事パレードに各国首脳を招待。国際社会へのアピールを強化する狙いがあるとみられます。

CSTO加盟国との不協和音

CSTOはロシア主導の軍事同盟ですが、加盟国との間には不協和音も生じています。特にアルメニアは、ナゴルノカラバフ紛争でのロシアの対応に不満を表明し、CSTOへの参加を凍結。今回の首脳会議も欠席しました。

ウクライナ紛争を巡る国際社会の緊張は、今後ますます高まることが予想されます。プーチン大統領の発言は、その緊張をさらに高める可能性を秘めており、今後の動向に注視していく必要があります。