大阪・関西万博にて開催される中国ナショナルデーに合わせ、中国の何立峰副首相が来日する方向で調整が進められています。複数の日中外交筋が6日、明らかにしました。日中友好議員連盟会長の森山裕自民党幹事長は大阪で何副首相と会談し、ジャイアントパンダの新規貸与や日本産牛肉の輸入再開について協議する見通しです。この来日は、現在の日中関係における重要な機会となります。
来日と森山幹事長との会談
何副首相は、大阪・関西万博の中国ナショナルデー行事に合わせて来日する予定です。この機会に、日中友好議員連盟の会長を務める森山裕自民党幹事長が大阪で何副首相と会談を持つ方向で調整が進められています。何副首相は、経済分野を中心に幅広い権限を持ち、習近平国家主席に近い人物とされており、森山氏はこの会談を通じて懸案事項の解決に向けた直接的な働きかけを行う考えです。
大阪・関西万博訪問のため来日調整中の中国の何立峰副首相
パンダ新規貸与の要請
会談の主要な議題の一つとして、ジャイアントパンダの日本への新規貸与があります。現在、日本国内で飼育されているパンダは、6月下旬に和歌山県から4頭が中国へ返還された後、東京・上野動物園の2頭のみとなっています。これらの2頭も来年2月には貸与期限を迎える可能性があり、国内からパンダがいなくなることが懸念されています。茨城県や仙台市など、新たなパンダの誘致を目指す自治体もあり、森山幹事長はこれらの状況を踏まえ、何副首相に新規貸与を強く要請する方針です。
日本産牛肉輸入再開に向けた動き
もう一つの重要な議題は、日本産牛肉の輸入再開についてです。中国は2001年に日本国内で牛海綿状脳症(BSE)が発生したことを受け、日本産牛肉の輸入を規制しています。森山幹事長は、この規制の撤廃に向けて中国側に働きかけを行います。関係者によると、日中両政府は日本からの牛肉輸出に必要な関連協定の発効に向けた調整を進めており、日本の外務省局長が4日には中国側と具体的な協議を行ったことが明らかになっています。今回の会談は、この問題に進展をもたらす機会となる可能性があります。
何副首相の来日予定と背景
何副首相は今月10日に大阪へ到着する予定です。今回の来日は、大阪・関西万博という国際的な舞台を利用し、経済分野を管轄する中国政府の要人と日本の政界要人が直接対話を持つ点で重要です。ジャイアントパンダや日本産牛肉といった具体的な課題を協議することで、停滞気味とされる日中間の経済・文化交流の活性化に繋がるか注目されます。
大阪・関西万博の機会を捉えた何副首相の来日は、パンダ貸与や牛肉輸入といった懸案事項について直接対話する重要な機会です。これらの協議の行方は、今後の日中両国の関係進展において注目されます。