中国政府は習近平(シージンピン)国家主席の側近である何立峰(フォーリーフォン)副首相を大阪・関西万博で11日に予定されている中国の「ナショナルデー」に派遣する方向で調整していることが分かった。日中友好議員連盟会長を務める自民党の森山幹事長が何氏と大阪で会談し、ジャイアントパンダの貸与を要請する見通しだ。森山氏は4月に訪中した際も中国共産党幹部にパンダの貸与を働きかけた。
複数の日中関係筋が明らかにした。米国との対立を念頭に、日本との関係改善を進めてきた中国は何氏の訪日で対日関係重視の姿勢を演出する思惑があるとみられる。
日本国内で飼育するパンダは、和歌山県の4頭が6月に中国に返還され、上野動物園(東京)の2頭だけになった。この2頭も来年2月20日に返還期限を迎える。
何氏は日本の経済団体との面会なども予定しており、中国への更なる投資や人的交流の促進を呼びかけるとみられる。米国との関税交渉で苦戦する日本に秋波を送る可能性がある。日本政府は「ナショナルデー」への閣僚級の出席を調整している。
何氏は2023年3月から習政権でマクロ経済政策の司令塔を務め、米トランプ政権との関税などを巡る交渉を主導している。