新米価格高騰!令和の米騒動、その真相に迫る

日本では、2024年夏に深刻な米不足が発生し、スーパーの棚から米袋が消える事態となりました。その後、新米の登場で供給は回復したものの、今度は価格高騰という新たな問題に直面しています。本記事では、新米価格高騰の背景にある複雑な要因を紐解き、その真相に迫ります。

なぜ新米は高い?背景にある2つの大きな要因

新米の高値は、大きく分けて二つの要因が絡み合っています。一つはJAグループが農家に支払う概算金の値上がり、もう一つはJA以外の集荷業者を巻き込んだ激しい集荷競争です。

概算金の上昇:米不足を予期したJAの対応

JAグループは毎年夏、米の概算金(農家への支払い金額の目安)を決定します。2024年夏、全国的な米不足が懸念される中、JAグループは軒並み前年比で概算金を大幅に引き上げました。例えば、新潟県のコシヒカリは3100円増の1万7000円、北海道のななつぼしは4000円増の1万6500円となりました(いずれも1等米60kgあたり)。これは、店頭での米価上昇の大きな要因となりました。

新潟県産コシヒカリの稲穂新潟県産コシヒカリの稲穂

激化する集荷競争:JAを巻き込んだ価格高騰のスパイラル

米の収穫時期が近づくと、事態はさらに複雑化しました。空前の米不足と高値相場を見込んだJA以外の集荷業者が、JAの概算金を上回る価格で農家から米を買い集め始めたのです。これに対抗するため、JAも農家への支払額を増やさざるを得なくなり、集荷競争は激化しました。一部報道では、JAによっては概算金より7000円も高い金額を提示した例もあるとされています。

収穫された米袋収穫された米袋

卸売価格への影響:消費者への負担増大

産地での激しい集荷競争は、卸売価格にも大きな影響を与えました。10月の相対取引価格(全銘柄平均)は2万3820円(60kgあたり)と、前年同期比で約6割も高騰しました。「日本の食卓を守る会」代表の山田一郎氏(仮名)は、「この卸売価格の高騰は、最終的に消費者の負担増につながる深刻な問題だ」と指摘しています。卸売価格の上昇は、そのまま小売価格に転嫁され、消費者が購入する新米の価格高騰につながっているのです。

まとめ:令和の米騒動、今後の行方は

新米価格の高騰は、JAの概算金の上昇と、JA以外の集荷業者を巻き込んだ激しい集荷競争という二つの要因が複雑に絡み合って引き起こされています。この状況は、家計への負担増大という深刻な問題を引き起こしており、今後の動向が注目されます。ぜひ、この記事を参考に、日本の食卓を支える米の現状について考えてみてください。