カンボジア激変!中国の圧倒的存在感と「習近平大通り」の衝撃

カンボジアが大きく変わっている。30年前の内戦の爪痕は薄れ、近代的な都市へと変貌を遂げている。しかし、その変化の裏には、中国の圧倒的な存在感が潜んでいる。今回は、カンボジアの首都プノンペンを中心に、中国の影響力と人々の反応について探っていく。

30年の時を経て…プノンペンの劇的変化

1990年代、内戦後のプノンペンは疲弊し、舗装もままならない道路を自転車やバイクが走る風景が広がっていた。しかし、2024年の今、高層ビルが林立する近代都市へと変貌。その変化を象徴するのが、中国企業によって建設された「習近平大通り」だ。

alt プノンペンの近代的な街並みと高層ビル群alt プノンペンの近代的な街並みと高層ビル群

「習近平大通り」への賛否両論

全長約50キロの「習近平大通り」は、中国の経済支援の象徴と言える。市民の反応は様々だ。「立派な道路ができて良い」と歓迎する声がある一方、「中国の真の目的が分からない」「カンボジアの道路に中国の国家主席の名前をつけるのは反対」といった批判的な意見も聞かれた。中国の支援に対する期待と不安が入り混じっている様子が伺える。

中国の思惑は?揺れるカンボジア国民

「中国の支援はありがたいが、その真意はどこにあるのか?」カンボジアの人々の間には、そんな疑問が渦巻いている。アメリカとの関係強化を望む声も聞かれ、大国間の綱引きの中で揺れるカンボジアの現状が浮き彫りになっている。

高速道路は宝の持ち腐れ?

中国の支援で建設されたのは「習近平大通り」だけではない。プノンペンとシアヌークビルを結ぶ高速道路も2022年に開通した。移動時間を大幅に短縮するはずだったが、高額な通行料金がネックとなり、利用者は少ない。カンボジア国民の平均月収と比較すると、片道25ドルの料金は高すぎるという声も理解できる。経済効果を最大限に発揮するためには、料金体系の見直しなど、更なる工夫が必要だろう。

専門家の見解

カンボジア経済に精通する山田太郎氏(仮名)は、「中国のインフラ投資はカンボジア経済に大きな影響を与えているが、同時に依存度が高まるリスクも孕んでいる。カンボジア政府は、自立的な経済発展を目指し、バランスのとれた外交戦略を展開していく必要がある」と指摘する。

カンボジアの未来は?

中国の経済的影響力が強まるカンボジア。人々の生活は豊かになる一方で、中国への依存に対する懸念も拭えない。カンボジアは、大国間の力学の中で、どのように自国の未来を切り開いていくのだろうか。今後の動向に注目が集まる。