日本の捕鯨船への妨害活動で知られるシーシェパード。その設立者ポール・ワトソン氏の逮捕劇は記憶に新しいですが、実はこの団体に過去、日本人女性が参加していた事実をご存知でしょうか? 本記事では、ミニコミ誌に掲載された彼女の手記を手がかりに、知られざる捕鯨抗議の舞台裏を探ります。
日本人女性がシーシェパードに参加した理由とは?
2011年4月発行のミニコミ誌『THE ART TIMES』に、驚くべき記事が掲載されました。それは、シーシェパードの船舶「ボブ・バーカー号」に乗船し、南極海の調査捕鯨妨害活動に参加した日本人女性の手記です。
彼女は58歳当時、日本のメディアによる捕鯨報道を「洗脳的プロパガンダ」と批判し、シーシェパードへの参加を決意したと綴っています。一体、彼女をそこまで駆り立てたものは何だったのでしょうか?
南極海の捕鯨船イメージ
彼女が主張するシーシェパードの9つの論点
手記には、シーシェパードの主張が9つの項目にまとめられています。それぞれの主張について、客観的な視点で解説を加えながら見ていきましょう。
1. 南極海クジラ保護区での「密猟」
彼女は日本の調査捕鯨を「密猟」と表現しています。これは、IWC(国際捕鯨委員会)が1994年に採択した「南極海サンクチュアリ」に基づく主張です。確かに南極海は商業捕鯨禁止区域ですが、調査捕鯨は認められています。この点について、彼女はどのように考えているのでしょうか?
2. 絶滅危惧種の捕獲
シーシェパードは、日本が絶滅危惧種に指定されているクジラを捕獲していると主張しています。しかし、日本の調査捕鯨は資源管理を目的としており、絶滅危惧種の捕獲は厳しく制限されています。この点に関する彼女の認識はどのようなものだったのでしょうか?
3. オーストラリア連邦政府・最高裁判決の無視
2008年、オーストラリア連邦裁判所は日本の調査捕鯨船に対し、オーストラリア海域での捕鯨停止を命じました。しかし、この命令はオーストラリア領海内でのみ有効であり、公海における調査捕鯨を禁じるものではありませんでした。
4. 商業捕鯨モラトリアムとIWC勧告の無視
彼女はIWCによる「商業捕鯨の永久モラトリアム」に言及していますが、これは正確には「一時停止」です。「永久」という言葉は誤解を招きやすく、注意が必要です。IWCの規定では、このモラトリアムは定期的に見直されることになっています。
鯨と海のイメージ
日本人女性のその後
残念ながら、この日本人女性のその後については情報がありません。彼女は今、どこで何をしているのでしょうか? 捕鯨問題に対する彼女の強い思いは、私たちに何を問いかけているのでしょうか?
本記事が、捕鯨問題について改めて考えるきっかけになれば幸いです。皆さんのご意見、ご感想をぜひコメント欄にお寄せください。また、jp24h.comでは、他にも様々な社会問題を取り上げています。ぜひご覧ください。