マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証。2024年12月2日、従来の健康保険証の新規発行が停止され、事実上の移行が完了しました。利便性の向上が期待される一方で、現場では様々な課題が浮き彫りになっています。jp24h.comでは、医療現場の声や専門家の意見を交えながら、マイナ保険証の現状と今後の展望について詳しく解説します。
医療現場の声:トラブル続出の実態
群馬県保険医協会が県内の医師・歯科医に行ったアンケート調査によると、実に8割近くがマイナ保険証関連のトラブルを経験していることが明らかになりました。カードリーダーの接続不良や認証エラー、資格情報の無効といった技術的な問題に加え、旧字体の表示問題、個人情報の誤表示など、多岐にわたるトラブルが報告されています。
群馬県保険医協会のアンケート調査結果
例えば、住所の誤登録や外国人・自衛官の個人情報確認の難しさ、顔認証ができない高齢者への対応など、現場の混乱は深刻です。屋外での発熱外来でカードリーダーが使えないといった、運用上の課題も指摘されています。落雷による停電でシステムがダウンし、職員の私用スマホで対応を迫られた薬局の例も報告されており、非常時の対応にも不安が残ります。
紙の保険証存続を望む声
同協会のアンケートでは、8割以上の医師が紙の保険証の存続を求めていることが分かりました。いつでもどこでも誰でも医療を受けられる体制を維持するために、紙の保険証は必要不可欠であるという声が多数を占めています。「紙の保険証を残せば、多くのトラブルや医療現場・患者の不安が解消される」と語る医師もいるように、現場の負担軽減と患者の安心確保のため、紙の保険証の存続を求める声は高まっています。
自治体の現状:費用負担と混乱
県民主医療機関連合会が行った市町村への調査でも、マイナ保険証への移行に伴う課題が浮き彫りになっています。システム関連技術者の高額な日当や委託費用など、自治体の財政負担の大きさが問題視されています。また、マイナポイント取得のための混乱も報告されており、地域によっては混乱が生じているようです。
マイナ保険証のメリットとデメリット
専門家の見解
医療制度に詳しい専門家(仮名:山田一郎氏)は、「デジタル化は時代の流れだが、現場の負担や患者の不安を無視したままの移行は問題だ。十分な検証と体制整備が不可欠」と指摘しています。
今後の展望:円滑な移行のために
マイナ保険証への移行は、医療のデジタル化に向けた重要な一歩です。しかし、現状では現場の混乱や患者の不安が大きく、課題は山積しています。円滑な移行を実現するためには、国や自治体は現場の声に真摯に耳を傾け、システムの改善やサポート体制の強化に努める必要があります。また、国民への丁寧な説明と理解促進も欠かせません。今後の動向に注目していきましょう。