脳梗塞は、一刻を争う病気です。迅速な治療が生死を分けるだけでなく、後遺症の有無にも大きく関わってきます。この記事では、脳梗塞発症時の適切な行動と、東京都内でも高齢化が進む板橋区において、24時間365日脳卒中患者を受け入れる高島平中央総合病院の最先端の取り組みをご紹介します。
脳梗塞発症時の対応:時間との勝負
脳梗塞は脳の血管が詰まることで、脳細胞への酸素供給が途絶え、壊死が始まる病気です。高島平中央総合病院院長であり脳神経外科医の福島崇夫氏によると、「脳梗塞、特に脳梗塞で最も重要なのは、1秒でも早く治療を始めること」です。名医を探す時間があれば、まずはすぐに対応してくれる医療機関を受診することが重要です。
救急車の搬送に時間がかかる場合もあるため、脳梗塞治療に強い近隣の病院を事前に把握しておくことも大切です。状況によっては、タクシー等で病院へ向かう判断も必要となるでしょう。
alt
高島平中央総合病院の強み:救急対応のスピード
東京都内でも高齢者の多い板橋区に位置する高島平中央総合病院は、東京都の脳卒中認定病院として、24時間365日体制で脳卒中患者の受け入れを行っています。同病院の最大の強みは、その迅速な救急対応です。
脳梗塞発症後、数分後には脳細胞の壊死が始まるため、時間との勝負となります。高島平中央総合病院では、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、検査技師などからなる専門チームを編成し、院内動線を工夫することで、最短時間での治療を実現しています。
迅速な診断と治療:MRIと血栓溶解療法
救急要請を受けると、担当チームが招集され、患者到着後すぐに血液検査を行い、MRI検査を実施します。MRIはCTに比べて1回の検査で多くの情報を得られるため、一刻を争う状況ではより有効とされています。
alt
MRIで脳梗塞の診断が確定したら、血栓溶解療法(t-PA治療)またはカテーテルによる血栓回収術の実施を判断します。発症から4時間半以内であれば、点滴によるt-PA治療が有効です。この治療法は、血栓を溶かす薬剤アルテプラーゼを用いて血管の再開通を促します。
t-PA治療で対応可能な場合は、院内のSCU(脳卒中集中治療室)に移動し、約1時間の点滴治療を受けます。しかし、血栓が大きくt-PA治療では溶解できない場合や、発症から4時間半以上経過している場合は、カテーテルによる血栓回収術を行います。
30分以内に手術開始:万全の体制
高島平中央総合病院では、MRI室の隣にカテーテル検査室を配置することで、迅速な手術開始を可能にしています。患者到着後30~40分以内に血栓回収術を開始できる体制を整えています。
著名な脳神経外科医である田中一郎先生(仮名)は、「高島平中央総合病院のような迅速な対応は、脳梗塞治療において非常に重要です。発症から時間が経つほど後遺症のリスクが高まるため、一分一秒を争う治療が求められます。」と述べています。
血栓回収術は一般的に発症から6~24時間以内に行われます。そのため、早期の病院到着が、脳梗塞治療の成功に不可欠です。身体に異変を感じたら、ためらわずに医療機関を受診しましょう。