結婚生活において、愛情表現のつもりの行動が、相手に不快感を与えてしまうケースは少なくありません。特に、スキンシップに対する感じ方は人それぞれで、行き違いが生じやすいものです。今回は、夫の「嫌知らず」なスキンシップが原因で、夫婦関係に亀裂が生じてしまったケースをご紹介します。夫の行動は愛情表現なのでしょうか、それともただの「嫌がらせ」なのでしょうか?一緒に考えてみましょう。
憧れの上司との結婚生活…当初はラブラブだった日々
千葉県在住の陽子さん(仮名・50歳)は、かつて職場の上司だった夫(浩さん・仮名・55歳)と結婚して22年。当初は、職場での信頼も厚く、面倒見の良い夫に憧れを抱いていたといいます。仕事でミスをした際に頭を軽く叩かれたり、肩に手を置かれたりする度に、胸をときめかせていたそうです。
結婚後も、夫は家事の疲れを労わり、髪をなでたり肩を揉んだりするなど、優しいスキンシップで陽子さんを癒していました。まるでドラマのようなラブラブな日々を送っていた二人ですが、次第にその関係に変化が現れ始めます。
かつては憧れの上司だった夫とのラブラブな日々
変化するスキンシップ…愛情表現から「嫌がらせ」へ?
結婚生活が長くなるにつれ、夫のスキンシップは次第にエスカレートしていきました。話をしている最中に強く頭を叩かれたり、肩を強く押されたりするようになり、陽子さんは不快感を覚えるように。
エスカレートするスキンシップに戸惑う妻
「痛いからやめて」と注意しても、夫は「これは俺の愛情表現だ」「力もそんなに入れていない」と言い張り、聞く耳を持ちません。それどころか、嫌がる陽子さんを見てニヤニヤと笑う始末。陽子さんは、夫の身勝手な態度に呆れ、言葉を失ってしまうこともあったそうです。
夫婦間のコミュニケーション不足が招く悲劇
陽子さんは何度も「やめてほしい」と訴えましたが、夫の態度は一向に変わりませんでした。このケースは、夫婦間のコミュニケーション不足が大きな問題となっています。
著名な夫婦カウンセラーである山田先生(仮名)は、「相手の気持ちを理解しようとせず、自分の価値観を押し付けることは、良好な夫婦関係を築く上で大きな障害となります」と指摘しています。
夫は、自分の行動が妻に不快感を与えていることを理解しておらず、一方的に「愛情表現」だと決めつけています。この認識のズレが、夫婦関係に亀裂を生む原因となっているのです。
相手の気持ちを尊重するコミュニケーションを
今回のケースのように、スキンシップの行き違いは、離婚に繋がるケースも少なくありません。厚生労働省の統計によると、2023年の離婚件数は増加傾向にあり、同居期間20年以上の熟年離婚も依然として高い水準を維持しています。
相手への不満を我慢し続けることは、最終的に破局へと至る可能性があります。夫婦関係を良好に保つためには、互いの気持ちを尊重し、率直にコミュニケーションを取ることが大切です。自分の行動が相手にどのような影響を与えているのかを常に意識し、相手の気持ちを理解しようと努めることが、幸せな結婚生活を送る秘訣と言えるでしょう。