[イスタンブール/パリ/ブリュッセル 30日 ロイター] – 初夏にもかかわらず熱波が欧州を襲い、各地で山火事が発生し、高温警報が発令されるなど深刻な事態となっている。
トルコとフランスでは山火事のため数万人が避難。フランス、スペイン、イタリア、ポルトガル、ドイツでは健康警報が発令された。温暖な気候のオランダでも、今後数日間は高温と高湿度への警戒が呼びかけられている。
欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスのサマンサ・バージェス氏は「西ヨーロッパの大部分は、6月ではなく通常は7月か8月に観測されるような猛暑と熱波に見舞われている」と指摘。一部地域では、気温がこの時期としては予想より5─10度高かったと述べた。
トルコでは2日前から西部イズミル県で山火事が発生し、5万人以上が避難している。
フランスでも、南西部オード県で29日に気温が摂氏40度を超え、山火事が発生。400ヘクタールが焼失した。火災はまだ鎮火していないという。
フランス気象局は30日から週半ばまで、国内101県のうち過去最多の84県に熱波警報を発令した。
スペイン国立気象局(AEMET)は、観測史上最も暑い6月になる見込みだと発表した。
イタリア保健省もローマやミラノを含む16都市に熱波の赤色警報を発令した。
ドイツでは、西部と南西部の広い地域で気温が34度まで上昇し、熱中症警報が発令された。
業界筋によると、熱波によりライン川の水位が低下し、海運に支障をきたし輸送コストが上昇しているという。当局は消費者に節水を呼びかけた。冷房需要の増加を受け、ドイツとフランスのベースロード電力価格は急騰している。