カリフォルニア州の中学校で美術教師として働いていたリア・セネンさん(60歳)が、狂犬病で亡くなりました。教室で見つけたコウモリを介して感染したと推測されており、狂犬病の恐ろしさ、そして早期対応の重要性を改めて認識させられる出来事です。
教室に現れたコウモリ、そして悲劇の始まり
セネンさんは、生徒が登校する前の早朝、教室でコウモリを発見しました。生徒を守るため、自らコウモリを捕まえて外に逃がそうとした際に、コウモリに噛まれた、もしくは引っ掻かれた可能性があると友人は証言しています。 セネンさん自身は、深刻なケガとは思わず、そのまま普段通り授業を行いました。この時、すでに狂犬病ウイルスに感染していたとみられています。
alt亡くなった美術教師リア・セネンさん(左)。友人によれば、「本当に素晴らしい芸術家」だったという。
発熱、手の震え…発症からわずか数日で帰らぬ人に
感染から約1ヶ月後、セネンさんは発熱や手の震えなどの症状を訴え、入院。その後、容態は急激に悪化し、医療措置として昏睡状態に。そして、悲しいことに、わずか4日後、セネンさんはこの世を去りました。カリフォルニア州公衆衛生局は、セネンさんの死因が狂犬病であったことを確認しています。
狂犬病とは? 感染経路と予防策
狂犬病は、狂犬病ウイルスによって引き起こされる人獣共通感染症です。感染した動物の唾液、脳、神経組織との接触を介して感染します。 米国では、コウモリからの感染が最も多く報告されていますが、アライグマ、スカンク、キツネなどの野生動物もウイルスを保有している可能性があります。
専門家の声
感染症専門医の山田先生(仮名)は、「狂犬病は致死率が非常に高い病気です。野生動物に噛まれた、あるいは引っ掻かれた場合は、直ちに医療機関を受診し、適切な処置を受けることが重要です。早期にワクチン接種などの治療を開始することで、発症を防ぐことができます」と警鐘を鳴らしています。
狂犬病の予防:早期発見・早期治療が鍵
今回の悲しい出来事は、狂犬病の恐ろしさ、そして早期対応の重要性を改めて私たちに教えてくれます。野生動物との接触には十分注意し、万が一、接触があった場合は、躊躇せずに医療機関を受診しましょう。
私たちにできること
自分自身と大切な人を守るために、狂犬病について正しい知識を持ち、適切な行動をとることが大切です。 また、ペットの狂犬病予防接種も忘れずに行いましょう。
カリフォルニア州のブライアント中学校で美術教師として子どもたちの未来を育んでいたセネンさんのご冥福をお祈りいたします。