岸田文雄前首相が、2023年4月に和歌山市の雑賀崎漁港で発生した爆弾襲撃事件について、ユーチューブ番組で当時の状況を振り返り、大きな反響を呼んでいます。事件の深刻さとは裏腹な、岸田氏の冷静な対応や“鈍感力”ともいえる振る舞いに、ネット上では様々な意見が飛び交っています。
襲撃直後も予定変更なし? 理髪店にも立ち寄り
12月3日、マグロ仲卸業者・生田よしかつ氏のYouTubeチャンネル「魚屋のおっチャンネル」に岸田氏が出演。自民党の木原誠二選挙対策委員長や向山淳衆院議員らとトークを展開する中で、襲撃事件当時の様子を語りました。
生田氏から、事件後も予定を変更せず、理髪店にも行っていたことを指摘されると、岸田氏は「そうそう」と笑顔で認め、木原氏を驚かせました。
雑賀崎漁港での爆弾襲撃事件の様子
岸田氏は事件当時を「なんか投げられて、ワーとかなって、SPに抱えられて車の中に押し込まれて…」と振り返り、警察署に連れて行かれた後も「みんな待ってるから。続けてやろうよ」と、予定通り応援演説を続けたと明かしました。そして、東京に戻ってから理髪店に行ったことも語り、驚きの声が上がっています。
「切迫感とか深刻さとか全然感じなかった」 岸田氏の“鈍感力”
生田氏から「普通だったら日程全てキャンセルになってもおかしくない」と指摘された岸田氏は、「不思議となんかね、自分が狙われたっていう切迫感とか深刻さとか全然感じなかった」と語り、当時の心境を明かしました。
爆弾が足元に転がってきたときも、「あっ」と思って見ていただけで、SPに抱えられて車に押し込まれるまで、それほど危機感を感じなかったとのこと。
「命が狙われた」という実感はなく、「(日本の)総理大臣がこういう目に遭ってるんだ」と感じたという岸田氏。木原氏からは「SPの皆さんが対処が早かった。総理が事件を認識する以前に(行動してた)」と指摘されると、岸田氏は「そう。鈍感な総理が気づくまでに(笑)」と自虐的に答えました。
ネット上の反応は賛否両論
この動画に対し、ネット上では
- 「爆弾投げられたのに『なんか投げられて』は肝座りすぎててすごい」
- 「総理大臣がこんな目にあってんだ? じゃないんだよw」
- 「間違ってはいないと思う。テロ組織に対する一番の対処法は無視」
など、様々な意見が寄せられています。岸田氏の冷静な対応や“鈍感力”ともいえる振る舞いに対する評価は、賛否両論のようです。
専門家の中には、岸田氏の冷静な対応は、危機管理の観点から見ても適切だったという意見もあります。「危機的状況下でパニックに陥らず、冷静に状況を判断し、行動することは非常に重要です」と、危機管理コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は述べています。
「テロに屈しない」という強い意志を示した岸田氏の行動は、国民に安心感を与えたという見方もできる一方で、事件の深刻さを軽視しているという批判的な意見も出ています。今回のYouTubeでの発言は、改めて様々な議論を巻き起こすことになりそうです。