韓国で出された戒厳令は約6時間で解除されたが、一時は軍が出動する事態となった。鹿児島県内でも4日、情報収集にあたったり、影響を心配する声が聞かれたりした。
県によると、鹿児島と韓国・ソウルを結ぶ定期便は週10往復、運航している。今のところ影響は確認されていないが、韓国国内では戒厳令による影響が今後も続く可能性が指摘されている。県PR観光課は「今後の動向を注視し、情報収集に当たりたい」としている。
鹿児島市の樟南高校では、2日から修学旅行でフィリピン・セブ島を選んだ2年生約30人が現地に滞在している。6日夜、ソウルの空港を経由して帰国する予定という。同校の教頭は「突然の騒動で驚いている。生徒たちは空港の中で過ごすので大丈夫だろうが、不安は尽きない」と話した。
韓国は年間200万人超の日本人客が訪れる人気の旅行先。県内の旅行事業者は、キャンセルは出ていないとした上で、「年末年始の行楽シーズンに旅行を計画している人も多いはずだ。影響が出ないことを願うばかりだ」と話した。
また、冬場に暖かい鹿児島でゴルフを楽しむ韓国人旅行客も少なくない。県内のゴルフ場の関係者は「韓国での政治不安の影響でウォン安が進めば、日本旅行が割高になる。客足が遠のかないか心配だ」と語った。