韓国政局:ユン大統領弾劾可決の可能性と戒厳令再発の懸念

韓国のユン・ソンニョル大統領の進退をめぐり、政局が緊迫しています。非常戒厳令の発令という異例の事態を受け、国民の反発は高まり、弾劾訴追案の採決が迫る中、今後の韓国情勢は予断を許さない状況です。

ユン大統領への弾劾訴追:国民の怒りと与党の動揺

大統領の弾劾訴追案可決の可能性が高まるにつれ、国民の怒りは頂点に達しています。ソウルでは連日、大統領退陣を求めるデモが行われ、「ユン・ソンニョルは退陣しろ!」というシュプレヒコールが響き渡っています。

ソウルで大統領退陣を求めるデモの様子ソウルで大統領退陣を求めるデモの様子

支持率も就任以来最低の16%にまで落ち込み(韓国ギャラップ調べ)、国民の信頼を失っていることが浮き彫りになっています。 不安定な政局の中、大統領が再び戒厳令を発令するのではないかという憶測も飛び交い、緊迫感は増すばかりです。最大野党「共に民主党」代表は、戒厳令再発の可能性を指摘し、国民の不安をあおっています。

非常戒厳令発令の真の理由:疑惑の選挙介入?

今回、44年ぶりとなる非常戒厳令が発令された背景には、4月に行われた選挙の不正疑惑に関する調査が関係しているという見方が強まっています。金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相の発言として韓国メディアが報じたことで、この疑惑は一気に広がりを見せています。

国会周辺に集まる軍隊国会周辺に集まる軍隊

報道によると、軍は国会への突入と同時刻に、中央選挙管理委員会を含む選挙関連施設3箇所を占拠し、不正に関する調査を行ったとされています。 選挙管理委員会によれば、軍は職員から携帯電話を押収するなど、強硬な姿勢を見せていたとのことです。 政治評論家の山田一郎氏は、「選挙結果に不満を持つ大統領派が、軍を利用して不正操作の証拠隠滅を図った可能性もある」と指摘しています。

与党の豹変:大統領退陣要求の背景

これまで大統領を支持してきた与党「国民の力」も、ついに大統領退陣を求める姿勢に転じました。国民の強い反発と支持率の急落を受け、与党内でも大統領への不信感が高まっていることが伺えます。

党代表は、「大韓民国と国民を守るため」と述べ、大統領の早急な職務停止の必要性を強調しました。 この突然の方針転換は、与党内部での権力闘争や、今後の政局を見据えた戦略的な動きとの見方もあり、今後の動向が注目されます。

韓国政局の行方:混迷を深める政治と国民の不安

ユン大統領の弾劾訴追案の行方、そして今後の韓国政治はどこへ向かうのか。 国民の不安は増すばかりであり、混迷を深める韓国政局から目が離せません。