高齢者を狙う犯罪の増加で不安広がる…「みんな私を狙っている」と怯える母親にどう向き合うべきか?

高齢化社会が進む日本では、高齢者をターゲットとした犯罪が後を絶たず、社会問題となっています。警察庁の発表によると、刑法犯認知件数は2023年に70万件を超え、2年連続で増加しています。特に闇バイト強盗事件の報道は、高齢者の間に不安を煽り、日常生活に大きな影を落としています。この記事では、高齢者を狙う犯罪の現状と、不安を抱える高齢者への適切な対応策について解説します。

闇バイト強盗の増加が不安を助長

千葉県船橋市在住の税理士(50代男性)は、高齢の母親(80代)の様子がおかしいと語ります。近隣で相次ぐ強盗事件や、警察官や銀行員による犯罪のニュースを目にした母親は、「怪しい人が家の前を通った」「みんな私を狙っている」と訴え、毎日何度も電話をかけてくるようになったそうです。

高齢者を狙う犯罪の増加を伝えるニュース記事のイメージ高齢者を狙う犯罪の増加を伝えるニュース記事のイメージ

信頼していた存在からの裏切り

税理士の母親が怯えるようになった背景には、警察官や銀行員、証券会社社員による犯罪報道があります。これまで正義の味方、頼れる存在だと信じてきた人々からの裏切りとも取れる事件の数々は、高齢者に大きな精神的ダメージを与えています。税理士の母親も、夫の遺産運用を任せていた証券会社や、懇意にしていた銀行との関係を断ち切ってしまったそうです。

例えば、神奈川県警の警察官が知人のキャッシュカードを不正利用した事件や、野村證券の元社員が顧客宅から金品を盗み、放火した事件などは、高齢者の信頼を大きく損なうものでした。また、三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客の金品が消失した事件も、行員の関与が疑われており、不安をさらに増幅させています。

高齢者の不安にどう向き合うか

高齢者の不安を取り除くためには、家族や周囲の人のサポートが不可欠です。防犯対策を強化するだけでなく、彼らの不安な気持ちに寄り添い、安心感を与えることが重要です。

防犯対策の徹底

まずは、自宅のセキュリティ対策を見直し、防犯意識を高めることが大切です。窓やドアの施錠を徹底するのはもちろん、防犯ブザーやセンサーライトの設置も有効です。地域の見守り活動への参加も、犯罪抑止につながります。

情報提供とコミュニケーション

高齢者が正確な情報を得られるように、家族や周囲の人が積極的に情報を提供することも重要です。デマや噂に惑わされないよう、信頼できる情報源からニュースや情報を伝えるようにしましょう。また、高齢者の話をじっくり聞き、不安な気持ちを共有することも大切です。

専門家への相談

不安が強い場合は、専門機関への相談も検討しましょう。高齢者向けの相談窓口や、精神科医、カウンセラーなどに相談することで、適切なアドバイスやサポートを受けることができます。

まとめ

高齢者を狙う犯罪の増加は、社会全体で取り組むべき課題です。家族や地域社会、行政が連携し、高齢者が安心して暮らせる環境づくりを進めることが重要です。高齢者の不安に寄り添い、適切なサポートを提供することで、彼らの安全を守り、豊かな生活を支えていきましょう。