東南アジア経済の躍進:投資と輸出が急増、世界経済の新たな中心地へ

東南アジア経済が力強い成長を遂げています。米国への輸出が急増し、世界的大企業からの投資も相次いでいます。かつて韓国がロールモデルとされていた東南アジアは、今や世界経済を牽引する存在になりつつあるのでしょうか。

米国向け輸出と旺盛な投資

タイ、マレーシア、ベトナムといったASEAN主要国の対米輸出は2024年10月、前年同月比で大幅に増加しました。世界的な電気・電子製品の需要増加に加え、トランプ前大統領の関税政策復活への懸念から、駆け込み需要が発生したことが要因とみられます。

東南アジアの港東南アジアの港

輸出好調に加え、東南アジアへの投資も活発化しています。エクソンモービルはインドネシアへの巨額投資を表明し、BPも炭素貯留設備の建設に着手。AI分野のエヌビディアはベトナム企業を買収し、研究開発センター設立にも合意しました。フィリピンも再生可能エネルギー分野を中心に投資が急増しており、東南アジア全体がグローバル企業の注目を集めています。

世界経済の不確実性と東南アジアの戦略的価値

自由貿易体制が揺らぐ中、東南アジアは投資誘致と貿易摩擦の影響軽減に尽力しています。中国、日本、米国、欧州各国は、東南アジアの成長性に着目し、エネルギー、インフラ、データセンターなど様々な分野で投資を拡大しています。世界経済の不確実性が高まるほど、東南アジアの戦略的価値は高まっていると言えるでしょう。IMFはASEAN主要6カ国の2025年の経済成長率を4.8~5%と予測しており、世界平均を大きく上回っています。

専門家の見解

延世大学国際学大学院デジタル通商研究教授のコ・ヨンギョン氏は、「今後10年間、中国よりも東南アジアの成長率が高くなる可能性がある」と指摘しています。豊富な労働力、地理的な優位性、そして積極的な投資誘致策が、東南アジアの持続的な成長を支えると考えられます。

韓国経済の停滞

一方、かつて東南アジアのロールモデルとされた韓国経済は停滞気味です。輸出の伸びは鈍化し、経済成長率も低迷しています。戒厳令ショックの影響もあり、国際社会からの信頼も揺らいでいます。

今後の展望

東南アジアは、世界経済の新たな中心地となる可能性を秘めています。積極的な投資誘致と輸出拡大により、更なる経済成長が期待されます。一方、韓国は経済の立て直しと国際社会からの信頼回復が急務となっています。