昨年4月、船井電機によって買収され大きな注目を集めた美容脱毛サロンの『ミュゼプラチナム(以下、ミュゼ)』(MPH株式会社・東京港区)がまたも揺れている。
「今年に入り船井電機の破綻が表面化し、存亡の危機に立たされたミュゼですが、8月以降、上場企業フォーサイドの社長が中心となって経営を刷新。運営母体は株式会社ミュゼプラチナムからMPH株式会社に変わりました。しかし、ここへ来てさらなる危機が囁(ささや)かれ、顧客を巻き込んだ重大トラブルに発展しそうな雲行きなのです」(全国紙経済部記者)
店舗数167店舗、従業員総数1355名(ともに11月9日現在)を誇る美容脱毛業界最大手に一体何が起こっているのか?
■船井時代から引きずる広告料金未納の影響
現役社員のAさんが明かす。
「大手紙でも報じられているとおり、船井電機HD傘下時代に膨らんだ20億円以上の広告代理店への料金未納を今も引きずっていて、現在ネット広告がほぼストップしている状態。その結果、新規顧客の獲得もままならず、売り上げに大きく影響した結果、給与の遅延も発生しており、スタッフが続々と辞めています」(Aさん)
またミュゼでは11月前半には社員に向け、次のような趣旨の通達があったという。
《店舗で使用するベッドカバー、スリッパ、タオルの在庫が少なくなったため、劣化や不足分以外は年末の入替えは行わない。不足分を発注した場合は中古品を発送することになる》
売り上げ低迷のしわ寄せは、顧客にも及んでいる。
「ミュゼでは、店舗の予約枠はスタッフの人数で決めており、スタッフ不足の店舗では予約ができない状況も生じつつある。また、コストカットのために、施術を受ける客用の紙パンツ、ウォーターサーバーが廃止となり、お客様から不満の声が上がっています。
さらに、サロンと並ぶ大きな収入源であるコスメ関連の通販でも、たびたび商品の発送が遅延し、そのたびに新規注文のお客様や注文済みなのに商品が届かないといったお客様からのクレームが殺到する事態になっています」(Aさん)
■前払いシステムで相次ぐトラブル