韓国国会は2024年度予算案を可決しました。しかし、この予算案は与党の同意を得ずに最大野党「共に民主党」が主導で規模を縮小したもので、波紋が広がっています。この記事では、予算案可決の背景、内容、そして経済への影響について詳しく解説します。
野党主導の予算案可決、その背景とは?
国会では野党が多数派を占めており、政府が提案した677兆4000億ウォン規模の予算案に対し、共に民主党は673兆3000億ウォン(約4706億ドル)に縮小した案を提出。これが賛成183、反対94で可決されました。尹錫悦大統領は今月3日に非常戒厳を宣布しており、その理由の一つに野党による予算審議妨害を挙げていました。国会が省庁や対立する政党間の同意なしに規模を縮小した予算案を可決したのは、今回が初めてです。
韓国国会の風景
予算削減の内容と政府の反応
共に民主党が削減したのは、政府の予備費、利払い費のほか、大統領府、検察、監査院の予算などです。共に民主党の李在明代表は「予算案の速やかな可決は、現在の不安と危機の解消に役立つ」と述べています。一方、政府は予算削減により、政府の基本的な機能が麻痺するだけでなく、対外的な課題への対応が滞り、中小企業や社会的弱者向けの政策措置が遅れると主張しています。
経済への影響は?専門家の見解
エコノミストらは、今回の予算削減が景気に悪影響を及ぼす可能性を指摘しています。iM証券のエコノミストは「拡張的な財政政策が必要な時期であり、経済にとって良いニュースではない。政策の空白が生じ、来年の補正予算編成がほぼ確実視される」と述べています。また、シティのアナリストは、共に民主党の予算削減により、経済成長率が年0.02%ポイント前後押し下げられると試算しています。
共に民主党の李代表
今後の展望
今回の予算案可決は、韓国経済にどのような影響を与えるのでしょうか。今後の動向に注目が集まります。