兵庫県知事選で斎藤元彦氏が再選を果たし、一時は「パワハラ知事」「おねだり知事」と批判されていた氏が、まるでヒーローのような扱いを受けるようになりました。選挙前は斎藤知事を批判していた既存メディアは「オールドメディア」と揶揄され、信頼を失墜させています。
メディアの過熱報道と信頼の失墜
特に、連日面白おかしく斎藤知事の「パワハラ」や「おねだり」を報道していたテレビのワイドショーは、その低劣さを非難されました。真実よりも視聴率を優先する姿勢が、視聴者から疑問視されていると言えるでしょう。
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しかし、知事選後も騒動は収まりません。当選した斎藤知事の選挙運動に協力した代理店の女性社長の行為が選挙違反にあたるのではないかという疑惑、N党の立花孝志氏による元県民局長の公用PCの内容公表など、新たな問題が次々と浮上しています。
「オールドメディア」批判の本質
新聞・テレビなどを一括りに「オールドメディア」と断罪するのは、やや短絡的です。信頼性の低下は、新聞やテレビという媒体そのものの問題ではなく、そこで働く個々の記者の問題と言えるでしょう。
一部の記者やジャーナリストは、「テレビだ」「新聞だ」という権威を振りかざし、取材対象を見下すような態度をとることがあります。特に、視聴率至上主義のテレビでは、人気者や話題の人物への取材競争が過熱し、非常識な行動をとる記者も少なくありません。
中田英寿の鋭い指摘:メディアの傲慢さ
このようなメディアの傲慢さを痛烈に批判した人物がいます。元サッカー日本代表の中田英寿氏です。
1998年のフランスW杯で活躍し、イタリアのペルージャに移籍した当時21歳の中田氏。ペルージャには膨大な数の報道陣が押し寄せ、選手たちに迷惑をかけることも厭わない傍若無人な取材ぶりだったと言われています。
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そんな状況下で、中田氏は一部のスポーツ記者に対して痛烈な言葉を投げかけました。それはメディアの傲慢さを指摘するだけでなく、真摯な取材とは何かを問いかけるものでした。
メディアのあるべき姿
中田氏の言葉は、四半世紀以上経った今でも、メディア関係者にとって重い教訓となるはずです。視聴率や部数ではなく、真実を追求し、公正な報道を心がけること。それがメディアの信頼を取り戻す唯一の道ではないでしょうか。兵庫県知事選後の騒動は、メディアのあるべき姿を改めて私たちに問いかけています。