ウクライナ軍、米供与の長距離ミサイルでロシア南部飛行場を攻撃か:タガンログで被害、報復の可能性も

ロシア国防省は11日、ウクライナ軍がアメリカから供与された長距離ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」で、ロシア南部タガンログにある軍の飛行場を攻撃したと発表しました。 今回の攻撃は、ウクライナ紛争における戦況にどのような影響を与えるのでしょうか。

ロシア国防省発表の内容とATACMSミサイルの特徴

ロシア国防省によれば、ウクライナ軍が発射したATACMSミサイルは計6発。うち2発はロシア側の防空システムによって迎撃、残りの4発も軌道を変えさせたと主張しています。しかし、落下したミサイルの破片によって負傷者が出たほか、飛行場の建物や軍用車両などが損壊したと発表しています。

ATACMSは、アメリカが開発した地対地ミサイルで、射程は約300キロメートル。高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」から発射可能です。ウクライナ軍はこれまで、HIMARSによってロシア軍の補給線を攻撃するなど、戦果を上げてきました。今回のATACMSの使用は、ウクライナ軍の攻撃範囲が拡大したことを意味し、今後の戦況に大きな影響を与える可能性があります。

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ロシア側の反応と今後の見通し

ロシア国防省は「西側の長射程兵器による攻撃に対し、適切な措置を取る」と報復を示唆しています。 ロシアの軍事専門家、アレクセイ・レオンティエフ氏(仮名)は、「今回の攻撃は、ウクライナ軍がより積極的に攻勢に出る可能性を示唆している。ロシアは、ウクライナへの軍事支援を続ける西側諸国への圧力を強めるだろう」と分析しています。

ウクライナ紛争の長期化が懸念される中、今回のミサイル攻撃は更なる緊張の高まりにつながる可能性があります。国際社会は、事態の悪化を防ぐため、外交努力を強化する必要があるでしょう。

専門家の見解と今後の影響

軍事アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「ATACMSの供与は、ウクライナ軍の戦力強化に大きく貢献するだろう。しかし、ロシアの反発も必至であり、更なるエスカレーションも懸念される。今後の戦況は予断を許さない」と指摘しています。

今回の攻撃は、ウクライナ紛争の新たな局面を象徴する出来事と言えるでしょう。今後の動向に注目が集まります。