九州を縦断する東九州新幹線。半世紀以上も構想されながらも、未だ実現に至っていないこの路線に、新たな動きが!大分県と宮崎県が独自のルートを提案し、建設の機運を高めようとしています。一体どんなルートで、実現の可能性は? 従来の日豊本線ルートとの違い、そして地域社会への影響など、徹底的に解説します。
東九州新幹線、従来ルートのおさらい
東九州新幹線ルート図
従来の東九州新幹線は、小倉駅から日豊本線に沿って鹿児島中央駅に至るルートが想定されていました。中津、大分、佐伯、延岡、宮崎、都城といった都市を経由し、九州東部の発展に寄与することが期待されています。しかし、建設費用や並行在来線の問題など、様々な課題を抱えています。特に、すでに九州新幹線が開業している福岡県や鹿児島県にとっては、東九州新幹線のメリットが限定的であり、建設への熱意が低いのが現状です。
大分県が提案する久大本線ルートの魅力
久大本線沿線の風景
大分県が提案する新ルートは、九州新幹線の新鳥栖駅から分岐し、久大本線に沿って大分市に至るルートです。沿線には、豊かな自然と歴史を持つ日田市や、人気の温泉地である由布院など、観光資源が豊富に存在します。このルートは、山岳地帯を通るためトンネル建設が多く、建設費用は日豊本線ルートよりも高額になる見込みです。しかし、博多駅へのアクセスは従来ルートとほぼ変わらず、JR西日本との調整も簡略化できるメリットがあります。
久大本線ルートのメリット・デメリット
久大本線ルートのメリットは、博多駅へのアクセス時間短縮、そしてJR西日本との調整が容易になる点です。一方で、建設費用が高額になること、そして新大阪駅への所要時間が従来ルートよりも長くなる点がデメリットとして挙げられます。鉄道評論家の山田太郎氏(仮名)は、「久大本線ルートは、地域振興に大きな効果をもたらす可能性がある一方、費用対効果の面で課題が残る」と指摘しています。
宮崎県の提案と今後の展望
宮崎県も独自のルートを提案しており、今後の議論の行方が注目されます。それぞれのルートにはメリット・デメリットがあり、関係自治体間の調整が不可欠です。東九州新幹線の建設は、九州全体の経済発展に大きく貢献する可能性を秘めています。一日も早い実現に向けて、関係者による積極的な議論と協力が求められます。