お酒、タバコ、ギャンブル… 大切なパートナーが依存症に苦しんでいる時、どうすれば良いのでしょうか? 「もう二度とやらないで!」と責めても、状況は悪化するばかり。この記事では、依存症専門医の山下悠毅氏の著書『依存症の人が「変わる」接し方』(主婦と生活社)を参考に、パートナーとの関係を修復し、依存症からの回復を支えるための3つのポイントをご紹介します。
依存症からの回復を阻む3つのNG行動
多くの家族は、パートナーの依存症を何とかやめさせようと、叱責、脅迫、懇願など、あらゆる手段を試みます。しかし、これらは逆効果。山下氏によると、効果がないばかりか、関係悪化を招く3つのNG行動があるといいます。
1. 叱責・非難
「どうしてまたやってしまったの!」と責めるのは禁物。依存症は意志の弱さではなく、病気です。叱責は罪悪感を深め、さらに依存を悪化させる可能性があります。「またやってしまった…」と打ち明けられるような、安心できる関係を築くことが大切です。
2. 脅迫
「次やったら離婚する!」といった脅しは、一時的には効果があるように見えても、根本的な解決にはなりません。むしろ、隠れて依存するようになり、状況を悪化させる危険性があります。
3. 過剰な干渉
パートナーの一挙手一投足を監視したり、行動を制限したりするのもNG。依存症からの回復には、本人の自覚と努力が不可欠です。過剰な干渉は、自主性を奪い、回復への意欲を削いでしまう可能性があります。
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依存症治療の鍵は「信頼関係」
では、どうすれば良いのでしょうか? 山下氏は、「本人が『つらい…』『困った…』と素直に打ち明けられる関係性を築くことが重要」と述べています。 依存症治療の鍵は、家族やパートナーとの信頼関係です。
安心できる関係を築く
依存症に苦しむ人は、強い不安やストレスを抱えています。まずは、相手を責めずに、じっくりと話を聞き、共感する姿勢を示しましょう。 「つらいね」「大変だったね」といった言葉をかけるだけでも、心の支えになります。
本人の意思を尊重する
依存症からの回復は、本人の意思がなければ成り立ちません。家族は回復をサポートする役割を担いますが、最終的には本人が自ら変わりたいと思えるように促すことが大切です。
専門家のサポートを受ける
依存症は、専門家のサポートが必要な病気です。医療機関や相談機関に相談し、適切な治療や支援を受けるように促しましょう。家族だけで抱え込まず、専門家の知恵を借りることで、より効果的な対応ができます。
パートナーと支え合い、共に乗り越える
依存症は、本人だけでなく、家族にとっても大きな負担となる問題です。しかし、諦めずに、根気強く向き合うことで、回復への道は開けます。パートナーと支え合い、共に乗り越えていきましょう。