紀州のドン・ファンこと野崎幸助氏殺害事件で、元妻・須藤早貴被告に無罪判決が下されました。この判決は、13億円とも言われる巨額遺産の行方に大きな影響を与えます。本記事では、複雑な遺産相続の行方について詳しく解説します。
無罪判決の背景と遺産相続への影響
2018年に起きた野崎幸助氏死亡事件で、元妻の須藤早貴被告は殺人と覚醒剤取締法違反の罪で起訴されました。しかし、2024年12月12日、和歌山地裁は須藤被告に無罪判決を言い渡しました。判決の決め手となったのは、覚醒剤密売人の「売ったのは氷砂糖」という証言でした。この判決により、13億円に上るとされる野崎氏の遺産相続をめぐる争いは新たな局面を迎えます。
野崎幸助氏と須藤早貴氏
遺言書の有効性と相続の行方
野崎氏は生前、「全財産を田辺市に寄付する」という内容の遺言書を残していました。この遺言書が有効であれば、田辺市が遺産を相続することになります。しかし、民法の規定により、元妻である須藤氏は遺留分として遺産の半分、約6億5000万円を相続する権利を有します。
野崎氏の兄弟は遺言書の無効確認を求めて提訴しましたが、一審では遺言書は有効と判断されました。兄弟は控訴しており、今後の判決次第では遺産相続の構図が大きく変わります。遺言書が無効となれば、兄弟は遺産の4分の1、須藤氏は4分の3、約9億7500万円を相続することになります。
相続専門家の山田一郎氏(仮名)は、「遺言書の有効性に関する判決が最終的にどうなるかが、遺産相続の行方を左右する重要なポイントとなるでしょう」と指摘しています。
須藤氏の相続権と今後の展開
仮に須藤氏が野崎氏殺害の罪で有罪判決を受けていれば、相続権を失うことになっていました。しかし、無罪判決により、須藤氏は遺産の相続人としての地位を維持することになります。
須藤早貴氏
須藤氏は既に野崎氏の死後、役員報酬など約7000万円を受け取っているとされ、そのうち約5500万円を使用しているとのことです。今後の遺産相続手続きにおいて、これらの金額も考慮される可能性があります。
遺産相続問題の専門家である佐藤花子氏(仮名)は、「この事件は、巨額の遺産が絡む複雑な相続争いであると同時に、無罪判決が出たことで、今後の展開がさらに読みにくくなっています」と述べています。
13億円という巨額の遺産を巡る争いは、今後さらに複雑な展開を見せる可能性があります。今後の裁判の行方、そして最終的な遺産の分配先について、引き続き注目が集まります。