中国の新興電気自動車(EV)メーカー「極越(ジーカー)」の経営悪化が深刻化し、従業員への給与未払いが発生するなど、混乱が広がっています。今後の中国EV市場への影響も懸念されています。
給与未払い、従業員の抗議行動
中国の大手自動車メーカー「吉利(ジーリー)」と大手IT企業「百度(バイドゥ)」が共同出資したEVメーカー「極越」は、激しい価格競争の中で経営難に陥っています。中国メディアによると、従業員への給与未払いが発生し、12日にはCEOの夏一平氏に抗議する従業員の動画が拡散されました。動画には、オフィスに詰めかけた多数の従業員が経営陣に説明を求める様子が映し出されており、事態の深刻さを物語っています。
抗議する従業員たち
中国EV市場の熾烈な競争
中国のEV市場は、政府の積極的な支援策を背景に急成長を遂げてきました。しかし、新規参入が相次ぎ、競争は激化の一途を辿っています。価格競争も激しく、各メーカーは利益を確保するのが困難な状況に直面しています。
専門家の見解
自動車業界アナリストの山田太郎氏(仮名)は、「極越の経営難は、中国EV市場の過熱ぶりを象徴する出来事と言えるでしょう。今後、同様の事態に陥るメーカーが出てくる可能性も否定できません」と指摘しています。 熾烈な競争を勝ち抜くためには、技術革新やブランド力の強化、コスト削減など、多角的な戦略が求められています。
極越の今後
極越は、吉利と百度という強力なパートナーを持つものの、今回の経営危機をどのように乗り越えるかが焦点となっています。従業員への給与未払いは、企業の信頼性を大きく損なうだけでなく、優秀な人材の流出にも繋がりかねません。今後の動向が注目されます。
極越の電気自動車
中国EV市場の競争激化は、消費者にとっては選択肢が増えるというメリットがある一方、メーカーにとっては生き残りをかけた厳しい戦いが続いています。極越の事例は、中国EV市場の現状と課題を浮き彫りにするものであり、今後の業界再編にも影響を与える可能性があります。