日本全国を襲う猛暑と大雨の脅威:夏休み明けの熱中症対策と北日本の警戒警報

間もなく夏休みが終わり、新学期が始まる学生も多い中、日本列島は危険な暑さと局地的な大雨に見舞われる見込みです。今週末の23日(土)と24日(日)は、関東から西の地域で38℃を超える猛烈な暑さが予想され、熱中症への厳重な警戒が不可欠です。さらに週明け25日(月)以降も、東日本や西日本では35℃以上の猛暑日が頻発すると見られています。一方、北日本では26日(火)から27日(水)にかけて警報級の大雨となる恐れがあり、二つの気象災害への同時的な備えが求められます。

日本全国の危険な暑さを示す予報図:38℃を超える地域が点在日本全国の危険な暑さを示す予報図:38℃を超える地域が点在

週末から週明けにかけて続く猛暑:夏休み明けの学生・社会人への注意喚起

今週末、23日(土)と24日(日)には、東北から九州にかけて広範囲で35℃以上の猛暑日が予想されています。名古屋市を含む関東から西の地域では、最高気温が39℃に達する地点もあるでしょう。北海道でも30℃以上の真夏日となる見込みで、全国的に高温に注意が必要です。

週明けの25日(月)以降も、この厳しい残暑は続きます。北日本では猛烈な暑さはいったん落ち着くものの、東北では30℃以上の日が続くでしょう。特に東日本や西日本では、引き続き35℃以上の猛暑日が多発する予報が出ています。夏休みが終わり、日常生活に戻る方々、特に通学・通勤が再開する学生や社会人の方々は、熱中症を発症しやすい時期であるため、細心の注意が必要です。急な運動や長時間の外出は控えめにし、体を徐々に暑さに慣らすようにしましょう。通学時には必ずペットボトルや水筒を持参し、こまめな水分補給だけでなく、汗で失われやすい塩分も適度に補給することが大切です。

週末から週明けにかけての日本列島、猛暑日予想を示す気温分布図週末から週明けにかけての日本列島、猛暑日予想を示す気温分布図

熱中症を未然に防ぐ「プレクーリング」の具体的な方法

熱中症対策として効果的な方法の一つに「プレクーリング」があります。これは、屋外での作業や活動を始める前に、あらかじめ体を冷やしておくことで、活動中に体温が急激に上昇するのを緩やかにする予防策です。プレクーリングには、大きく分けて二つの種類があります。

体内から冷やす:効果的なアイススラリーの作り方と注意点

一つ目は、体の内部から冷やす方法です。冷たい飲み物を摂取することで体温の上昇を抑えられますが、特におすすめなのが「アイススラリー」です。これは、スポーツ飲料と凍らせたスポーツ飲料をミキサーで撹拌して作ります。微細な氷の粒子と液体が混ざり合っているため、通常の冷たい飲み物よりも冷たさがゆっくりと体の内部に浸透し、その冷却効果が長く持続します。水分だけでなく、塩分や栄養素も同時に補給できる利点がありますが、一度に大量に摂取すると胃に負担をかける可能性があるため、少しずつ飲むようにしましょう。一般的には、1回あたり100グラム程度を数回に分けて摂取するのが良いとされています。

体外から冷やす:クールグッズ活用術と手足冷却のコツ

二つ目は、体の外部から冷やす方法です。保冷剤が体に接触するように設計されたクールベストや、ファンが付いた作業着などを着用することも非常に有効です。また、手軽にできる方法として、水の入った容器に手や足を10分程度浸して冷やすだけでもプレクーリング効果が得られます。この際、水温は10~15℃が最も効果的とされており、冷たすぎると血管が収縮してしまい、かえって逆効果になることがあるため注意が必要です。休憩時間には、椅子に座り、手足を水につけながら全身に水をスプレーし、扇風機などで風を送ることで、脱水状態の軽減にもつながります。プレクーリングは、これらの複数の方法を組み合わせることで、さらに高い効果を発揮します。暑い環境下での活動においても、可能な限り熱中症を予防しましょう。

屋外作業前のプレクーリング実践例:体温を下げる効果的な熱中症対策屋外作業前のプレクーリング実践例:体温を下げる効果的な熱中症対策

北日本は記録的豪雨に警戒:26日・27日の通学・通勤時の注意点

厳しい残暑が続く一方で、北日本では26日(火)以降、雨にも注意が必要です。26日(火)には、前線を伴った低気圧が北海道付近に接近し、その後、オホーツク海から千島近海へと進む見込みです。

この影響により、26日(火)と27日(水)は、北海道から北陸にかけて広い範囲で雨が降るでしょう。特に26日(火)は北海道、青森県、秋田県で、27日(水)は北海道の一部や新潟県で、警報級の大雨となる恐れがあります。夏休み明けで通学・通勤が始まる時期と重なるため、雨による交通機関への影響や、路面状況の悪化、河川の増水、土砂災害などにも十分な警戒が必要です。最新の気象情報を確認し、安全を最優先に行動してください。

北日本における26日・27日の大雨予想:通学・通勤時の警戒が必要北日本における26日・27日の大雨予想:通学・通勤時の警戒が必要

日本気象協会 本社 清水 茜音

参考文献