日本維新の会が揺れている。政府提出の補正予算案への撤回・組み替えを求める動議を提出したにも関わらず、12日の衆院本会議では一転して賛成に回った。自民・公明両党との教育無償化協議体設置などが賛成の理由とされたが、党内からは新執行部の対応に批判の声が上がっている。
衆議院予算委員会で質問する日本維新の会の前原誠司共同代表
虎穴に入らずんば虎子を得ず?前原氏、理解求めるも…
12日の党会合で、前原誠司共同代表は教育無償化協議の年内開始合意などを理由に挙げ、「与党との対話も重要。虎穴に入らずんば虎子を得ず」と理解を求めた。しかし、この発言が火種となる。
党内から怒りの声噴出
執行部の報告後、3党協議の合意文書が存在しないことを問題視した浦野靖人衆院議員が「口約束だけで賛否を決めるのか」と怒りを露わにした。前原氏は「過半数割れの与党への野党対応が問われている」と反論するも、和やかな雰囲気は一変、緊迫した空気が流れた。
一夜での方針転換に疑問の声
前日11日には吉村洋文代表(大阪府知事)の方針に従い、予算案への反対姿勢を示していた維新。しかし12日朝、教育無償化協議設置の合意を理由に賛成へと舵を切った。吉村氏は「教育無償化で一歩前進」と説明したが、この急転直下の方針転換に疑問の声が噴出している。
古参・中堅議員から批判殺到
維新古参議員は「維新の筋を通す姿勢を示す絶好の機会だったのに、永田町のスピード感に対応できていない」と嘆き、中堅議員は「立憲民主党や国民民主党より低い条件で賛成してしまった。愚かだ」と痛烈に批判した。
自民党は高笑い
一方、自民党重鎮は「野党間の競わせに成功した」、別のベテラン議員は「エサもなしに魚が釣れた」と維新の対応を嘲笑う。今回の維新の迷走は、今後の野党連携にも影響を及ぼす可能性がある。政治評論家の山田一郎氏(仮名)は、「今回の維新の行動は、野党共闘の足並みを乱す可能性がある。今後の野党の連携に注目が集まるだろう」と指摘する。
まとめ
教育無償化協議の設置は確かに前進と言えるが、予算案への賛成という大きな方針転換をわずか一夜で決定した維新の対応には、党内外から疑問や批判の声が上がっている。今後の維新の動向、そして野党共闘の行方に注目が集まる。