高田馬場は、在日ミャンマー人が集まる街として知られ、「リトルヤンゴン」と呼ばれるほど、ミャンマー料理店や雑貨店が軒を連ねています。近年、在日ミャンマー人の増加に伴い、新しいお店も続々とオープンし、まさに激戦区となっています。そんな中、本場の味を提供し、在日ミャンマー人からも高い評価を得ているのが「ズー&ヘイン ミャンマー ティー ハウス 高田馬場店」です。今回は、この人気店の魅力と、経営者夫妻の成功の秘訣に迫ります。
ミャンマー人夫婦が築き上げた、洗練された空間
JR高田馬場駅から徒歩10分ほどの場所に位置する「ズー&ヘイン ミャンマー ティー ハウス 高田馬場店」は、洗練された3階建ての建物が目印です。経営するのは、ミャンマー人夫婦のボボチョーさん(43歳)とテテトゥさん(40歳)。店名は、2人のお子さんの名前にちなんで付けられました。
ミャンマー人経営者のボボチョーさん(左)とテテトゥさん
裕福な家庭環境ではなかったというお二人。来日後、様々な苦労を乗り越え、二人三脚で支え合いながら、今の成功を掴みました。「ここにたどり着くまでいろいろありました」と笑顔で語るボボさん。その言葉には、これまでの道のりの長さが凝縮されています。
経営管理ビザの苦労と、日本での挑戦
2003年に留学生として来日したボボさんと、2006年に来日したテテさんは、現在「経営管理」ビザを取得し、日本で生活しています。
従業員のビザと経営者の苦労
「従業員は約40名で、全員ミャンマー人です。特定技能ビザを持つ従業員もいますが、私たち夫婦は20年近く日本に住み、7年間会社を経営していても、昨年まで毎年ビザを更新しなければなりませんでした。昨年、初めて3年のビザを取得できましたが、『経営管理』ビザは正直おすすめできません」とボボさんは苦笑いしながら話します。
その言葉の裏には、日本で正当にビジネスを行い、生活基盤を築きたいという強い決意が感じられます。日本で事業を展開する外国人にとって、ビザの問題は大きな壁となることが、ボボさんの言葉からも伺えます。例えば、行政書士の山田一郎氏(仮名)は、「経営管理ビザの取得・更新には、事業の安定性や成長性、社会貢献度など、様々な要素が審査されます。外国人経営者にとって、これは大きな負担となる場合が多いです。」と指摘しています。
アメリカ永住権への挑戦と、日本での決意
同じ留学先で出会い、2008年に日本で結婚した二人。翌年には、アメリカの永住権(グリーンカード)の抽選に当選しました。
当時の日本では永住権取得が困難だったため、アメリカでの永住を目指して手続きを進めましたが、ボボさんの父親の政治的な問題など、様々な事情により、最終的に取得には至りませんでした。
高田馬場のミャンマー料理店
様々な困難を経験しながらも、日本で事業を成功させたボボさんとテテさん。二人の情熱と努力は、在日ミャンマー人コミュニティにとって、大きな希望の光となっています。「ズー&ヘイン ミャンマー ティー ハウス 高田馬場店」は、美味しいミャンマー料理を提供するだけでなく、異文化交流の場としても重要な役割を担っていると言えるでしょう。