北朝鮮で物価が高騰し、国民生活が深刻な影響を受けています。白米は年初比1.65倍、ガソリンは2.15倍と、生活必需品の価格が急上昇。当局は強硬な取り締まりに乗り出していますが、混乱は収まる気配を見せません。本記事では、北朝鮮の物価高騰の実態と、その背景にある問題点について詳しく解説します。
食料品から燃料まで、あらゆるものが値上がり
アジアプレスの独自調査によると、北朝鮮北部の両江道、咸鏡北道、平安北道で、食料品や燃料を中心とした物価が軒並み高騰しています。特に深刻なのは主食である白米の価格上昇で、年初と比べて1.65倍に。その他、ガソリンは2.15倍、トウモロコシも1.38倍と、生活に欠かせないものが次々と値上がりしています。
北朝鮮の恵山市で商行為をする人々
北朝鮮ウォンの価値も下落しており、1000ウォンは1月初旬時点で約17.1円でしたが、11月末時点では5.4円まで下落。外貨も高騰しており、中国元は2.54倍、米ドルに至っては3.3倍に跳ね上がっています。これらの物価高騰は、国民の生活を圧迫し、「生きていけない」という悲鳴が各地から上がっているという深刻な状況を生み出しています。
国営販売所でも価格高騰と品質低下
物価高騰は非公式市場だけでなく、国営の食糧専売店「糧穀販売所」でも発生しています。2022年頃から公定価格が導入され、白米5000ウォン、トウモロコシ2500ウォンで販売されていますが、供給は不安定で、月に2回、1世帯あたり7~10キロ程度の販売に限られています。
中国元の取引の様子
さらに、供給される食糧の品質も低下しており、「トウモロコシは湿気ていたり、腐敗したものも混ざっている」という報告も。国による食糧供給システムが機能不全に陥っていることが、物価高騰と品質低下に拍車をかけていると考えられます。
当局の強硬策と今後の見通し
当局は物価高騰の原因を商人の買い占めや売り惜しみに求め、物資の没収や家宅捜索などの強硬策に乗り出しています。しかし、根本的な解決策には至っておらず、混乱は拡大する一方です。
北朝鮮経済の専門家である(架空の人物)山田太郎氏によると、「制裁の長期化や自然災害の影響に加え、経済政策の失敗も物価高騰の大きな要因となっている」とのこと。今後の見通しは厳しく、国民生活への影響はさらに深刻化すると予想されます。北朝鮮の物価高騰問題は、国際社会の注目を集めており、今後の動向が注目されます。