「ライオンの隠れ家」第10話が放送されました。柳楽優弥さん演じる洸人と、坂東龍汰さん演じる美路人兄弟の前に現れた謎の少年「ライオン」。彼を巡る物語は、家族愛や兄弟愛を深く掘り下げ、毎週視聴者の心を揺さぶっています。今回は、第10話のレビューと見どころをお届けします。
弟・愁人を追う洸人の葛藤
前回、愛生(尾野真千子)と愁人(佐藤大空)を救い出せなかった洸人(柳楽優弥)は、深く落ち込んでいました。そんな兄を心配する美路人(坂東龍汰)は、新たな一歩を踏み出そうとアートグループホームの体験に参加することを決意します。
一方、洸人は柚留木(岡山天音)の協力を得て、愁人の居場所を探ります。ライオンのぬいぐるみには発信機と盗聴器が仕掛けられており、そこから愁人と祥吾(向井理)が移動していることが分かりますが、愛生の姿は見当たりません。
愁人を追う洸人
洸人は工藤(桜井ユキ)と共に愁人を追跡し、ついに祥吾を見つけます。祥吾は、嫌がる愁人を連れ去ろうとしており、そこに洸人が割って入ります。激しい争いの末、祥吾は家族のために生きてきたこと、そのためにどんなことでもしてきたことを洸人に訴えます。これは、亀ヶ谷(岩谷健司)や樺島(後藤剛範)との関係を示唆しているのでしょう。
橘グループの平社員であった祥吾は、家族に楽をさせてあげたいという一心から、悪事に手を染めてしまったのかもしれません。しかし、その「家族のため」という言葉が、彼自身を苦しめ、愛生たちを縛り付ける歪んだ愛情へと変わってしまったのです。
歪んだ愛情の末路
洸人は、祥吾の言葉に耳を傾けながらも、「あなたにも純粋に愛してきたときがあったんじゃないですか?」と問いかけます。洸人自身も、弟・美路人への接し方が祥吾と同じではないかと自問自答しているようです。
洸人と祥吾の対峙
祥吾は過酷な人生を送ってきました。幼少期を過ごした養護施設は既に閉鎖され、養子縁組をした橘家でも居場所を失いつつあります。彼は常に自分の居場所を求めてきましたが、それが家族への愛情を歪ませてしまったのです。
洸人の言葉に、祥吾は静かに涙を流します。まるで、長年彼を縛り付けていた呪いが解けたかのように。その後、柚留木の通報により、警察が祥吾のもとへ到着します。
祥吾の犯した罪は決して許されるものではありません。しかし、彼もまた被害者の一人と言えるかもしれません。亀ヶ谷から「知り過ぎている」と言われた以上、祥吾の身も危険に晒されています。彼が生き延び、いつか幸せを感じられる人生を送れることを願わずにはいられません。
過去の傷と未来への希望
第10話は、祥吾の歪んだ愛情と、居場所を求める男の悲劇を描いた重厚なエピソードでした。家族とは何か、愛とは何かを考えさせられる、深い余韻を残す内容となっています。今後の展開に目が離せません。