大統領不在の中、韓国政界で権限代行をめぐる攻防が激化しています。共に民主党は、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行が法案拒否権を行使した場合、弾劾訴追も辞さない構えを見せています。本記事では、この緊迫した政治状況を詳しく解説します。
権限代行の拒否権行使に反発する共に民主党
共に民主党は、韓悳洙代行の拒否権行使の可能性に強く反発しています。16日、金民錫(キム・ミンソク)最高委員は党最高委員会議で、「権限代行総理には人事権や法律拒否権を行使する能動的権限はない」と主張。全賢姫(チョン・ヒョンヒ)最高委員も、「権限代行が立法拒否権や人事権を乱用すれば、新たな弾劾事由になり得る」と警告しました。
共に民主党の李在明代表と金民錫最高委員
改正糧穀管理法など「農業4法」、改正国会法、改正国会証言・鑑定法の6法案について、国民の力は拒否権行使を建議しています。さらに、内乱特検法、金建希(キム・ゴンヒ)夫人特検法も政府審議を控えており、政局は予断を許さない状況です。
朴省俊(パク・ソンジュン)院内首席副代表は、MBCのラジオ番組で、「内乱特検と金夫人特検が鍵となる」と指摘し、弾劾訴追の可能性を示唆しました。「韓国政治評論家協会」のイ・ジョンソク代表は、「権限代行の役割はあくまで現状維持であり、新たな政策推進は民意を無視したものと言える」と分析しています。
共に民主党、弾劾訴追を一時留保
共に民主党内では、非常戒厳事態の責任を問う形で韓代行の弾劾訴追を求める声も上がっていましたが、李在明(イ・ジェミョン)代表は15日、「過剰な弾劾は国政混乱を招く」として、弾劾手続きを一時留保する考えを示しました。
しかし、李代表は同時に「職務代行は現状維持管理が主業務であり、現状変更や新たな秩序形成は許容されない」とも強調。韓代行の権限行使に厳しい姿勢を崩していません。
国民の力は民主党の主張に反論
国民の力の権性東(クォン・ソンドン)院内首席代表は16日、「韓悳洙代行体制は李代表の摂政体制ではない」と反論。「再議要求権や任命権も大統領権限の一部だ。李代表は勝手に有権解釈するな」と批判しました。
さらに、権代表は韓代行に対し、「憲法と法律、原則に基づき、堂々と権限を行使してほしい。民主党の脅迫に屈服してはならない」と呼びかけました。 著名な憲法学者パク・ミンチョル教授は、「大統領の権限を代行するとはいえ、憲法で保障された権限を適切に行使することは当然の権利だ」と指摘し、国民の力の主張を支持しています。
今後の政局は?
大統領不在の長期化が懸念される中、与野党の対立は激化の一途を辿っています。韓代行の拒否権行使は、政局をさらに不安定化させる可能性があり、今後の動向に注目が集まります。