2022年、ブラジル北東部アラゴアス州の病院で生まれた双子の兄弟。2年後、衝撃の事実が明らかになりました。なんと、双子のうち1人と別の新生児が取り違えられていたのです。この記事では、この出来事の詳細と、関係者たちの苦悩、そして今後の展望についてお伝えします。
SNSがきっかけで発覚した取り違え事件
アラゴアス州サンセバスチアン市に住むデボラさんとスエルソンさん夫妻は、双子を授かりました。しかし、妊娠8ヶ月目にデボラさんが高血圧を発症したため、隣接するアラピラカ市の大病院に転院。そこで早産でギリェルメくんとガブリエルくんを出産しました。
未熟児だったため新生児集中治療室(NICU)に入院。当時、病院はCOVID-19対策で面会制限があり、デボラさんは毎日授乳することもできず、医師からの電話で状況を聞いている状態でした。3週間後、双子を連れて退院しましたが、医師から明確な説明がなかったため、二卵性双生児だと思い込んでいました。
双子と母親のデボラさん
2年後、デボラさんの友人がSNSで見つけた動画がきっかけで、事態は急展開を迎えます。動画に映っていた男の子は、デボラさんの息子に瓜二つ。その子は、クライーバス市に住むマリアさんの息子、ベルナルドくんでした。マリアさんも同じ病院で、双子誕生の3日後にベルナルドくんを出産していました。
デボラさんは、「保育園でお祈りしているベルナルドくんの動画を見て、涙が止まりませんでした。ガブリエルにそっくりで、本当に驚きました」と語っています。
DNA鑑定で明らかになった真実と家族の苦悩
SNSで繋がったデボラさんとマリアさんは、後見カウンセラーのサポートを受け、面会することに。そして、3人の男の子が同時期にNICUに入院していたことが判明し、DNA鑑定を受けることになりました。
結果は、ベルナルドくんのDNAがデボラさん夫妻と一致。ガブリエルくんの一卵性の兄弟であることが判明しました。さらに、ギリェルメくんのDNAはマリアさんと一致するという、信じがたい結果が出たのです。
「この数ヶ月は、まるで世界が崩れ落ちたようでした」とデボラさんは当時の心境を語っています。マリアさんもまた、突然の出来事に大きなショックを受けたことでしょう。
専門家の見解
家族問題に詳しい弁護士の山田一郎氏(仮名)は、「新生児の取り違えは、病院側の重大な過失によるものです。両親の精神的苦痛は計り知れません」と指摘しています。また、小児心理学専門家の佐藤花子氏(仮名)は、「子どもたちへの影響を最小限にするため、家族間の協力と専門家のサポートが不可欠です」と述べています。
今後の展望と課題
現在、警察が捜査を開始し、事実解明が進められています。出産を担当した産婦人科医への訴訟も起こされており、妊婦健診の段階で双子が一卵性である可能性が示唆されていたにも関わらず、母親に伝えられていなかったことが弁護士から明らかになっています。
デボラさん一家は、法的手段でベルナルドくんを取り戻したいと考えています。同時に、重篤な健康問題を抱えるギリェルメくんを引き続き養育することも希望しています。一方、マリアさんはベルナルドくんとの親子関係を維持したいと考えており、複雑な状況が続いています.
現在、両家は15日ごとに子どもたちを交互に訪問する形で、親子関係を築こうと努力しています。今後の法的な判断、そして子どもたちの福祉を最優先に考えた解決策が求められています。