高齢化社会が進む日本では、都心部を中心に超高級シニアマンションが次々と建設されています。一体誰が住み、デベロッパーにはどんなメリットがあるのでしょうか?「天国に最も近いマンション」と呼ばれる所以、その裏側に迫ります。
近年、西麻布、幕張、湘南藤沢など、利便性の高い場所に高級シニアマンションが増えています。これらのマンションは、富裕層の高齢者のニーズを満たすために設計されており、快適な住環境と充実したサービスを提供しています。
なぜ富裕層は高級シニアマンションを選ぶのか?
広々としたリビングルーム
富裕層が高級シニアマンションを選ぶ理由は様々です。例えば、現役時代に郊外に大きな家を建てたものの、加齢に伴い生活に不便を感じるようになった、子供たちは海外で仕事をしているため頼ることができない、相続の手続きを終え、子供や孫に介護の負担をかけたくない、といった理由が挙げられます。
これらのニーズに応えるため、医療サービス、介護サービス、コンシェルジュサービスなど、様々なサービスが提供されています。 「高齢者住宅新聞」によると、24時間体制の医療サポートや、提携医療機関との連携による定期的な健康診断なども提供されているとのことです。
高級シニアマンションという新たなステータスシンボル
高級感のあるダイニング
大手不動産会社勤務の山田さん(仮名)によると、高級シニアマンションは、富裕層にとって新たなステータスシンボルとなっている側面もあるようです。「現役時代に役職や居住地でマウンティングをしていた人が、退職後に自分が誇れるものがなくなったと嘆き、超高級マンションを探すケースも少なくありません。近隣住民や昔の同僚に自慢するためというよりは、同じ境遇の人たちと『人生最後のマウントバトル』をしたいというニーズがあるようです」と山田さんは語ります。一時入居金の額を競い合ったり、ラウンジで過去の仕事の自慢話を披露し合ったりするなど、新たなコミュニティでの人間関係を築いているようです。
デベロッパーにとってのメリット
高級シニアマンションの増加は、デベロッパー側の事情も大きく関係しています。 都心部の駅近など利便性の高い土地は、タワーマンションの建設ラッシュによって既に飽和状態にあります。 株式会社不動産経済研究所のデータによると、都心部でのタワーマンションの供給数はここ数年で減少傾向にあるとのことです。
そこで、デベロッパーは新たな市場としてシニア層に注目し、高級シニアマンションの開発に力を入れているのです。 狭い土地に高層マンションを建設し、多くの入居者から高額な一時入居金や月額利用料を得ることで、高い収益性が見込めるビジネスモデルとなっています。 高齢化社会の進展とともに、この市場は今後さらに拡大していくと予想されます。
まとめ
超高級シニアマンションの増加は、富裕層の高齢者のニーズとデベロッパーの戦略が合致した結果と言えるでしょう。 快適な住環境、充実したサービス、そして新たなコミュニティでの人間関係を求める富裕層にとって、高級シニアマンションは魅力的な選択肢となっています。 今後も、高齢化社会の進展とともに、この市場はさらなる発展を遂げていくと予想されます。