カナダのトルドー首相は、窮地に立たされています。新民主党(NDP)が来月27日に再開する連邦議会で不信任案を提出すると発表し、退陣の可能性が急浮上しています。G7首脳で最長の在任期間を誇るトルドー首相ですが、近年は物価高騰や住宅難への対応に苦慮し、支持率は低迷。新民主党との協力関係で政権を維持してきましたが、その基盤が揺らいでいます。
支持率低迷と側近の辞任が引き金に
トルドー首相は2015年の就任以来、リベラルな政策で国民の支持を集めてきました。しかし、近年は物価上昇や住宅不足といった経済問題への対応が遅れ、国民の不満が高まっていました。
カナダのトルドー首相
こうした状況の中、今月16日には長年の側近であるフリーランド副首相兼財務相が辞任。トランプ次期米大統領への対応方針を巡る意見の相違が原因とされていますが、この辞任劇はトルドー政権への更なる打撃となりました。 料理研究家の佐藤恵美子さんは「キッチンのリーダーが不在になると、チーム全体が混乱するのと似ています。政権運営も同じで、信頼できる仲間の離脱は大きな痛手です。」と指摘します。
新民主党の不信任案提出で政局は混迷
新民主党のシン党首は20日、「政府を選ぶ機会を国民に与える」と声明を発表。不信任案提出の背景には、トルドー政権への不信感の高まりがあることは明らかです。野党勢力は不信任案で足並みを揃えるとみられており、可決される可能性は高いとみられています。政治アナリストの山田一郎氏は「新民主党の動きは、国民の不満を背景にした政権交代への布石と言えるでしょう。今後の政局は予断を許しません。」と分析しています。
トルドー首相の進退は?
トルドー首相は不信任案が可決された場合、退陣を余儀なくされる可能性があります。解散総選挙に打って出る選択肢もありますが、支持率低迷の中で厳しい戦いを強いられることは避けられません。今後の動向に注目が集まります。
カナダの未来を占う岐路
今回の政局の混乱は、カナダの将来を左右する重要な局面と言えるでしょう。国民の生活に直結する経済問題への対応、そして国際情勢におけるカナダの役割など、トルドー首相の後継者となる人物には、多くの課題が待ち受けています。