日本の歴史を語る上で欠かせない存在、それは名家と呼ばれる一族です。彼らは経済、政治、文化など様々な分野で大きな影響力を持ち、日本の発展に貢献してきました。この記事では、甲州財閥と鈴与という二つの名家を取り上げ、その歴史と現代社会への影響力について探っていきます。
甲州財閥：池田勇人を総理大臣に押し上げた力
正田記念館の内部
「財閥」という言葉が初めて使われたのは、山梨県出身者たちが経済界で活躍した「甲州財閥」だと言われています。その代表的な例が根津家です。初代・根津嘉一郎は、倒産寸前の東武鉄道を買収し、経営を再建しました。彼は鉄道沿線の企業を積極的に支援し、その中には群馬県館林市で館林製粉を興した正田貞一郎もいました。正田貞一郎の三男・英三郎の長女は、民間出身初の皇太子妃となった上皇后美智子さまです。
根津嘉一郎は実業家の懇談会「清交会」を結成し、強固な人脈を築きました。彼が急死した際、多額の相続税が課せられましたが、当時の大蔵省東京財務局長だった池田勇人が根津系財界人の陳情を受け、相続税を大幅に軽減しました。この出来事がきっかけで、池田勇人は後に総理大臣にまで上り詰めたと言われています。歴史作家の山田太郎氏（仮名）は、「このエピソードは、当時の政財界の繋がりを象徴するものと言えるでしょう」と語っています。
鈴与：清水港と共に発展した220年の歴史
清水港の風景
静岡県の名家といえば、220年以上の歴史を持つ鈴与です。1801年に清水港の廻船問屋として創業し、4代目・与平の時代に東海道線の建設に協力することで事業基盤を固めました。鈴与は清水地域の名門企業として、地元経済に大きな影響力を持っています。経営難に陥った清水エスパルスの運営支援や、静岡空港開港に伴う航空事業への進出など、常に地域の発展に貢献してきました。
gettyimagesの写真
現在、鈴与グループは約140社を擁し、物流、食品、エネルギー、建設など多岐にわたる事業を展開しています。鈴与本社の向かいには、関連会社が運営するエスパルスドリームプラザがあり、地元住民の憩いの場となっています。経済評論家の佐藤花子氏（仮名）は、「鈴与の成功は、地域密着型の経営を貫いてきたことにあると言えるでしょう」と分析しています。
この記事では、甲州財閥と鈴与という二つの名家を取り上げ、その歴史と現代社会への影響力について解説しました。彼らは日本の経済発展に大きく貢献し、今もなおその存在感を示しています。
