ネット上で拡散された「稲村陣営が斎藤氏への誹謗中傷を10倍行っていた」という情報は、事実に反します。誤解の元となったSNS分析グラフと、その出典である神戸新聞の記事を詳しく解説し、真実に迫ります。
発端:X(旧Twitter)で拡散された誤情報
2024年12月21日、X(旧Twitter)上で「稲村陣営の方が10倍誹謗中傷している」という情報が拡散しました。拡散された投稿には、一見するとその主張を裏付けるかのようなグラフが添付されており、多くの閲覧数とリツイートを獲得しました。しかし、このグラフは正しく解釈されておらず、誤解を生む原因となりました。
拡散した投稿とグラフ
グラフの出典:神戸新聞の記事を検証
問題のグラフは、神戸新聞NEXTで11月29日に配信された記事「『既得権益』『さいとう元知事がんばれ』兵庫知事選終盤、Xで大量に投稿 真偽不明の情報も拡散」に掲載されたものでした。この記事は、兵庫県知事選期間中にX上で拡散された特定のキーワードの投稿数の推移を示すグラフを掲載し、ネット上の情報拡散の実態を分析したものです。
誤った情報が拡散したグラフの出典
しかし、この記事には「稲村陣営が誹謗中傷を10倍行っていた」という記述は一切ありません。グラフ自体も、特定のキーワードの投稿数を示しているだけで、誰がどの候補者を支持しているか、あるいは誹謗中傷の意図があったかまでは示していません。
グラフの正しい解釈:キーワードの出現頻度を示すのみ
グラフに示されているのは、「既得権益」「#さいとう元知事がんばれ」「斎藤 パワハラ」「#いなむら和美を兵庫県知事に」「公益通報」「稲村 外国人参政権」といったキーワードの出現頻度の推移です。例えば、「斎藤 パワハラ」というキーワードが増加したとしても、それは斎藤氏のパワハラを告発する投稿だけでなく、パワハラ疑惑を否定する投稿も含んでいる可能性があります。
つまり、グラフから読み取れるのはキーワードの出現頻度だけであり、特定の陣営による誹謗中傷の有無やその規模を判断することはできません。
専門家の見解:情報操作のリスク
SNS分析の専門家であるA氏(仮名)は、「グラフのようなデータは、文脈を無視して恣意的に解釈されると、誤解や情報操作につながる危険性がある」と指摘します。「データの出典や分析方法をきちんと確認し、複数の情報源と照らし合わせることで、正確な情報判断をすることが重要」とA氏は強調します。
結論:デマ情報に惑わされないために
今回のケースは、データの誤った解釈がデマの拡散につながる危険性を示す一例です。インターネット上には様々な情報が溢れていますが、情報源の信頼性やデータの解釈の妥当性を常に意識し、批判的な思考で情報に接することが重要です。
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