中国、波照間島沖EEZにブイ設置 台湾有事視野に海洋情報収集か

日本の排他的経済水域(EEZ)内で、またしても中国のブイが発見されました。沖縄県・波照間島沖で確認された今回のブイは、台湾有事を視野に入れた中国の海洋情報収集活動の一環である可能性が専門家から指摘されています。jp24h.comでは、この問題の背景や今後の影響について詳しく解説します。

波照間島沖に現れた中国のブイ:その目的とは?

海上保安庁関係者によると、今月、波照間島の南西約140キロのEEZ内で、黄色いブイが発見されました。ブイには気象観測機器のようなものが取り付けられており、「中国気象局」「福建海洋気象浮標」との記載があったとのことです。この海域は台湾東海岸に面しており、台湾有事への備えとして中国が海洋情報を収集する目的で設置した可能性が懸念されています。

波照間島沖に設置された中国のブイ波照間島沖に設置された中国のブイ

東海大学の山田吉彦教授は、このブイについて、「台湾有事を視野に入れ、中国が海洋情報を収集する目的で設置された可能性がある」と指摘しています。具体的には、潜水艦の識別などに用いられるスクリュー音などの収集・分析を行っている可能性が考えられるとのことです。

尖閣諸島周辺EEZでのブイ設置との関連性

昨年7月にも、尖閣諸島周辺のEEZ内で中国の海洋調査船によるブイ設置が確認されています。尖閣周辺海域でのブイ設置は、中国による管轄権の既成事実化を狙ったものとみられています。今回の波照間島沖でのブイ設置も、同様の意図が隠されている可能性は否定できません。

国際法違反の可能性と日本の対応

他国のEEZで無断で海洋調査を行うことは、国連海洋法条約に違反します。昨年設置されたブイについても、日本政府は外交ルートを通じて中国に撤去要請を行いましたが、中国側は応じていません。今回のブイ設置についても、日本政府は適切な対応を求められています。

専門家の中には、中国が海洋調査の名目で軍事利用可能な情報を収集しているとの見方もあり、今後の中国の動向に注視する必要があるでしょう。

台湾有事と海洋情報:その重要性

台湾海峡は、地政学的に重要な海域です。中国が台湾への軍事侵攻を企図する場合、海洋情報は作戦遂行に不可欠となります。水深、海流、水温などの情報は、潜水艦の航行や機雷の設置などに大きく影響します。中国が台湾東海岸に面した海域で海洋情報を収集していることは、台湾有事への備えを着々と進めている可能性を示唆しています。

過去の事例から、中国が国際法を軽視して行動する傾向があることは明らかです。今回のブイ設置も、中国の海洋進出を象徴する出来事と言えるでしょう。日本は、国際社会と連携し、中国の行動を監視していく必要があります。

今後の展望と課題

中国によるEEZ内でのブイ設置は、日本の安全保障にとって重大な脅威です。日本政府は、引き続き情報収集と分析を行い、適切な外交的措置を講じる必要があります。また、国際社会との連携を強化し、中国の海洋進出に対する抑止力を高めることも重要です。

日本国民も、この問題に関心を持ち、政府の対応を注視していく必要があるでしょう。