名門・中村家の一員で歌舞伎俳優の中村児太郎氏(31)が、東京・歌舞伎座で上演中の「七月大歌舞伎」(5日〜26日)を休演することが開幕直前に発表された。この休演の背景には、先月報じられた衝撃的な内容があった。歌舞伎ファンの間だけでなく、世間にも驚きが広がっている状況だ。
先月の『週刊新潮』の報道により明らかになったのは、児太郎氏の「極秘結婚」そして妻への「DV疑惑」だった。これまで多くの人が独身だと思っていただけに、まずこの結婚の事実自体に驚きが広がったと、あるスポーツ紙のデスクは語る。さらに問題視されているのは、その妻に対するドメスティックバイオレンス(DV)の具体的な内容だ。記事には、妻側からの情報提供と思われる詳細かつ目を背けたくなるような暴力の実態が克明に記されていたという。特に、目隠しされた状態ながらも殴られて腫れ上がった顔写真は、大きな衝撃を与えたとされる。
歌舞伎俳優という、ある程度の閉じられた世界の人物であるためか、このDV報道に対し、芸能メディアの後追い報道は当初限定的だった。「歌舞伎ファンには知られた存在ですが、一般的にはそこまでの知名度ではない」と前出のスポーツ紙デスクは付け加える。報道後しばらくは、テレビのワイドショーは親会社の株主総会や別のタレントの不祥事を取り上げることに時間を割き、スポーツ紙も他の話題に紙面を割くなど、大きな動きは見られなかった。
歌舞伎俳優・中村児太郎氏。DV報道と極秘結婚が明らかになり、七月大歌舞伎を休演。
しかし今週2日、事態が動いた。児太郎氏が所属事務所の公式サイトで突然、「おわびとご報告」と題した文書を発表したのだ。梨園関係者によると、このタイミングでの発表となった背景には、先月30日に人気歌舞伎俳優である中村七之助氏の結婚披露宴が執り行われていたことが影響しているという。嵐の松本潤氏ら多くの著名人も出席した華やかな場に水を差すべきではない、という配慮から、報道直後に決まっていたとされる七月大歌舞伎の降板発表を、披露宴後かつ公演開幕直前に合わせたとのことだ。
過去に飲酒運転で報道された父・中村福助氏が、親子襲名時に見せた「ごめん」のポーズ。
ただし、児太郎氏が発表した「おわびとご報告」の内容については、厳しい声も上がっている。ある情報番組デスクは、「本当にお粗末。何でそんなことを書く必要があるのか!と突っ込みたくなるような余計な文章でしたね」と、その内容を批判的に評価している。今回のDV報道とそれに続く歌舞伎座休演、そして本人の謝罪文に対する評価は、名門歌舞伎一家の御曹司に降りかかった予期せぬ波紋として、今後も注視されるだろう。